今回の問題で会見が行われるのは2回目。9月7日に行った会見で指摘された「社名の変更」について、東山紀之新社長(57)はジャニー元社長と決別し、新たな社名で再出発することを発表した。1962年の創業から61年にわたり掲げてきた「ジャニーズ」の看板に、この日幕を下ろした。
この日、東山社長は「ジャニーズ事務所という社名を残すと申しましたが、それこそが、まさに私たちが内向き体制であったと批判されて当然のことだと感じていました」と、前回会見の反省点を吐露。「私どもは、そうした反省の上に本当に再出発というのはどういうものかを、それを考えてきました。井ノ原とも真剣に討論をしてまいりました」と、これまでの経緯を説明。「そこで、現在のジャニーズ事務所の社名を変更いたします」とした。
現在の事務所は、「タレントマネジメント及び育成の業務からは完全に撤退させていただきます」と説明。「被害に遭われ、今もなお苦しんでいらっしゃる方々の補償、救済、心のケア。これを時間がかかってもやっていく」とし、「補償は11月からスタート」と説明した。
今年3月に英BBCのドキュメンタリー番組で取り上げられ、4月に元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが会見で性被害を受けたと主張したことで大きな注目が集まった性加害問題。「外部専門家による再発防止特別チーム」が8月29日に発表した調査報告書で「長期間にわたって性加害が繰り返されていた」と認定された。
カウアン氏の告発をきっかけに、被害者が次々と名乗りを上げ、二本樹顕理氏、中村一也氏、平本淳也氏が代表を務める「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が発足。被害者への補償に向けて救済基金を設立するよう求めるなど、声を上げている。
被害者の救済については、9月13日に公式サイト上に、元裁判官の弁護士3人による委員会を設置し、補償金額の判断について一任するとした上で、被害の時期などを理由に補償を拒むことはないなどとする被害補償や再発防止策を発表。また、今後1年間、出演料はすべてタレントに支払い、事務所として報酬は受け取らないと宣言していた。
その2日後となる15日には、被害者救済委員会による補償受付窓口を開設。「被害補償の具体的方策」については10月2日に行う会見で発表すると、9月19日に公式サイトを通じて呼びかけていた。

