香港出身の世界的アクションスター、ジャッキー・チェンさん（７０）が１３年ぶりに来日し、１１日夜、公開中の主演映画「ライド・オン」（ラリー・ヤン監督）の舞台挨拶を東京都内の映画館で行った。
「ライド・オン」は、チェンさんの初主演５０周年を記念して作られた人情派のカンフー映画で、チェンさんは落ちぶれた元アクションスターを演じ、家族愛などを描いて涙を誘う。
舞台に上がったチェンさんは終始ご機嫌で、「コロナ禍でなかなか来日が実現しませんでしたが、日本の皆さんはずっと応援してくれています。現在、いろいろな映画の撮影をノンストップでやっているところ。先日、ちょうどカナダで（リメーク版の）『ベスト・キッド』の新作を撮り終えました」と多忙ぶりを明かした。
１３年ぶりの来日で「カニ、ワサビ、九州ラーメンが食べたい」と語ったが、中国での撮影が迫っており時間はなさそうだと無念の表情も見せた。
公開中の「ライド・オン」については、「ヤン監督から未完成の脚本をもらった。手直しを頼んだら１カ月もしないうちに仕上げた。その情熱に感動して出演を引き受けた」と舞台裏を明かした。
一緒に来日したヤン監督は「チェンさんのファンで映画の世界に入り、いつか一緒に仕事をしたいと願い続けていたので、撮影を始める前に心を鎮める必要があった」と、あこがれのスターと仕事ができた喜びを語った。
チェンさんの物まねタレント、ジャッキーちゃんさん（４９）も応援に駆け付け、７年ぶりの対面を果たし、チェンさんから「君は酔拳を学ぶべきだ」と即席だが直々の指導を受けて感動のおももちだった。
ＢＧＭで自身が歌った「ライド・オン」の主題歌「青春故事」が会場に流れると、チェンさんはマイクをつかんで高らかに歌い始め、会場から喝采を浴び、「この歌の歌詞は、皆さんの存在は永遠だという意味です」と説明した。
さらに「皆さんの応援が活力の源。今後、毎年１作は映画に出て、皆さんとまたお会いしたい」と語り、最後は日本語で「応援ありがとうございました」と客席に語りかけた。
近年のチェンさんは、中国共産党機関誌に、入党希望を表明したと伝えられるなど、中国政府寄りの言動も目立っている。（石井健）
