シンガー・ソングライター、さだまさし（７０）と音楽プロデューサー、吉田政美（７０）によるフォークデュオ、グレープが結成丸５０周年を迎えた３日、東京・神田共立講堂で〝一夜限りの復活コンサート〟を開催した。グレープ名義での公演は同所で行った解散ライブ以来、４６年半ぶり。思い出のステージで４７年ぶりの新曲２曲を初披露し、さだは「またやるから」と笑顔で再会を約束した。
２人が奏でるアコースティックギターの音色が絡むと、割れんばかりの拍手がこだました。
「皆さん、こんにちは。グレープです」
午後３時に代表曲「精霊流し」で始まった復活公演。歌い終えたさだがあいさつすると、吉田は「まだやるの？」といきなりボヤいて笑わせた。
アマ時代の１９７２年１１月３日に初ライブをした「結成記念日」から丸５０年。解散後もさだのステージに吉田が登場するなど親交は続いており、軽妙なトークは健在だ。
会場は７６年３月２６日にラスト公演を行った神田共立講堂で、さだは「またフォークの聖地でできるとは」と感無量。
ステージでは、「無縁坂」などのヒット曲に加え、４７年ぶりの新曲「ゲシュタルト崩壊」と「天人菊」（ともに仮題）を初披露するなど１６曲を熱唱し、同じく４７年ぶりとなるオリジナルアルバムを来年２月に発売することも発表。タイトルは未定だが、さだは７４年の初アルバムを引き合いに「２１歳で『わすれもの』だから、今回は〝ものわすれ〟」と古希らしいネタで笑わせた。
さだは「グレープは進化しています」と力を込め、「またやるから。アルバム発売記念とか言って」と宣言。吉田が「（公演タイトルに）『一夜限り』って書いてあるけど」とつぶやくも、「昼間に始めちゃったからさ」とニヤリ。来年も円熟味を増したステージでファンを魅了する？
◆日本一逃したヤクルトにエール プロ野球ヤクルトのファンクラブ名誉会員であるさだは、終演後、本紙などの取材に応じ、２年連続日本一を逃した燕戦士をたたえた。昨年と同じ対戦カードとなったオリックスとの日本シリーズを振り返り、「悔しくないかっていうと、それは残念です」と吐露。オリックスが昨年の敗戦をバネに強くなったことから「ウチもこの敗戦を糧に、来年もう一枚上を行くチームを作ってくると思っています。まずはリーグ３連覇を目指してほしい」とエールを送った。
