クミコがNHK「のど自慢」をシャンソンの殿堂に ゲスト出演で新曲を披露

 歌手のクミコ(68)が16日、福島県須賀川市からNHK「のど自慢」のゲストとして生出演し、金子由香利のシャンソンの名曲をカバーした新曲「時は過ぎてゆく IL EST TROP TARD」を披露した。

 黒のドレスで登場したクミコは、人生のはかなさを歌った同曲を、語りかけるように歌いあげた。同番組のゲストは主に演歌歌手が多いが、クミコのしっとりとした歌声で、ホールがシャンソニエ(シャンソンのためのライブハウス)に様変わりした。

 東京・銀座のシャンソンの殿堂「銀巴里」からプロの歌手としてキャリアをスタートさせたクミコにとっては、大先輩となる金子の代表曲。原曲は本場フランスの歌手ジョルジュ・ムスタキで、18年に死去したシャンソン歌手の古賀力さんが日本語詞を手掛けた。

 同曲についてクミコは「今の音楽界には、シャンソン的なものが受け入れられる余地はそれほどないでしょう。けれど、私はそんなに悲観していません。歳を重ねるほどに味わい深くなる音楽が、そうやすやすと消えるはずないと思うからです。若さを武器に闘ってきた私たち世代は、昭和平成令和と時を超え、どんどんしたたかになってきました。生きるということに、したたかに柔らかく、そして知恵を持ってきました。そして、言葉に自分の生き方をこめられる歌を捨てたりはしません。そんなもったいないこと、誰がするものですか」と話している。

 同曲と美輪明宏の「ヨイトマケの唄」を収録したCDシングルを今月12日に発売。同シングルは、金子の渋谷・西武劇場公演を仕掛けて話題となり、それをきっかけに山口百恵さんの自伝「蒼い時」を手掛けることになった残間里江子さんがプロデュースした。

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