【カンヌ=松田拓也】南仏カンヌで開催されていた第77回カンヌ国際映画祭は25日夜(現地時間)、コンペティション部門最高賞パルムドールに米のショーン・ベイカー監督(53)の「アノーラ」を選び、閉幕した。女優賞の発表では昨年、男優賞を受賞した役所広司さん(68)がプレゼンターとして、サプライズで登場した。
役所さんは壇上で「映画は、国境や価値観を超えて、私たちを強く結びつけてくれます。そして、他人の痛みを感じる心を育ててくれます」などとスピーチした。
最高賞の「アノーラ」は露の大富豪の息子と電撃結婚したセックスワーカーの女性が、結婚解消を巡る大騒動に巻き込まれるコメディータッチのドラマ。また、イランの革命裁判所から有罪判決を受け、国外脱出したモハマド・ラスロフ監督(51)の「聖なるイチジクの種」には特別賞が贈られた。
日本作品は同部門に選ばれていないが、独立部門「監督週間」に出品された山中瑶子監督(27)の「ナミビアの砂漠」が、国際批評家連盟賞を受賞した。同賞はコンペ部門以外の作品も対象に、各国の批評家が選ぶ。
コンペティション部門の他の結果は次の通り。
▽グランプリ=「光として想像するすべて」(パヤル・カパディア監督)▽監督賞=ミゲル・ゴメス(「グランド・ツアー」)▽審査員賞=「エミリア・ペレス」(ジャック・オディアール監督)▽男優賞=ジェシー・プレモンス(「