映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日公開) (C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
同映画は、『ミッドサマー』や『ライトハウス』など、ジャンル映画をアートの域まで高めてきた新進気鋭の製作・配給スタジオ「A24」の作品。すでに全世界興行収入1億ドルを突破し、A24史上No.1ヒット作となっている。
製作には世界的メガヒット作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)の“ルッソ兄弟”ことアンソニー&ジョー・ルッソが名を連ねている。監督は『スイス・アーミー・マン』(16年)で凄まじいセンスと才能を発揮したダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン(通称:ダニエルズ)。
主人公は、経営するコインランドリーは破産寸前、ギリギリの暮らしに、トラブルだらけの家族を抱え、まさに人生どん底の主婦・エヴリン(ミシェル・ヨー)。そんな彼女のもとに、ある日、“別の宇宙(ユニバース)から来た”と名乗る夫・ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)が現れる。
「全宇宙を救えるのは君だけだ」と突如世界の命運を託されたエヴリンは、あ然としながらも夫に導かれマルチバースへ大ジャンプ! “別の宇宙を生きるエヴリン”が持つさまざまな力を得て、予想も常識もはるかに超えた壮大な闘いに挑んでいく。
今回解禁された写真では、マルチバースに迷い込み割れた鏡に映るように“別次元の自分”を垣間見混乱するエブリンの姿、カンフーの達人である別の平行世界にいる<エヴリン>の力を得て小指で筋トレに励む姿、なぜかシェフになって肩車ダッシュする姿など、奇天烈なマルチバースの世界で彼女が救世主(?)の力に目覚めていく様子を見ることができる。
一方で、エヴリンに立ちはだかるユーモアたっぷりのヴィランの姿も明らかに。殺気迫る飛びヒザ蹴りで襲い掛かるディアドラ(ジェイミー・リー・カーティス)、ド派手なファッションに身を包み、全宇宙をブッ壊そうと目論む実の娘ジョイ(ステファニー・スー)、そして敵か味方か謎の白い軍団も登場。さらに、闘いの果てにボロボロになったエヴリンを支える夫・ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)との夫婦愛を感じさせるシーンもある。
「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてないカオスな世界観でありながら、賞レースで確かな評価を受けている本作。
現地時間1月10日に発表された「第80回ゴールデングローブ賞」では、主演女優賞、助演男優賞の2部門受賞のほかに4部門(作品賞、監督賞、脚本賞、助演女優賞)でノミネート。
「第95回アカデミー賞」には、作品賞、監督賞(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)、脚本賞(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス、ステファニー・スー)、編集賞、衣装デザイン賞、作曲賞、主題歌賞(「THIS IS A LIFE」)の10部門11ノミネートを達成した。
監督のダニエルズは「時々、ボクらの映画は独創的ですごく奇妙なオリジナル作品だと言われると、『アニメを見たことがありますか』と思わず聞いてしまいます。『マインド・ゲーム』(湯浅政明監督)や『パプリカ』(今敏監督)、『もののけ姫』(宮崎駿監督)まで、日本のアニメ作品などあらゆるものからインスピレーションを受けてこの映画を作ったので、日本の皆さんにはぜひ楽しんでもらいたいと思っています」と、日本カルチャーからも多大な影響を受けたことを明かしている。