けん玉だけじゃありません 多趣味もつながる三山ひろしの歌の道

けん玉だけじゃありません 多趣味もつながる三山ひろしの歌の道

けん玉はもちろん多趣味な三山ひろし=大阪市北区で2022年3月25日、菱田諭士撮影

(毎日新聞)

 けん玉だけじゃありません。カブトムシ飼育に落語。次世代を担う演歌歌手の三山ひろしは、趣味といえども手を抜かない。「どれも突き詰めてやろうと思ったら宇宙が広がっている。どうしたら面白くなるのか考えることが歌の追求にもつながる」。三山の趣味と演歌との交差点はどこにあるのか。

 ◇三つの「あ」が演歌にぴったり

 趣味の話になると、熱弁が止まらない。おなじみのけん玉は「単なる伝承遊びじゃなくて、総合的なスポーツなんですよ。一度できたことをどこでも成功させるには努力と鍛錬が必要で」。もともとファンを楽しませようと始めたが、現在は四段で、指導員の資格も持つほどの腕前。7年連続出場のNHK紅白歌合戦では、歌唱中のけん玉が恒例になりつつある。

 けん玉は奥が深いという。「慌てず、焦らず、諦めず、という三つの『あ』があるんですが、この三つは演歌の世界にもぴったり。自分の今の年齢と相応の歩み方をしていないと、いい状態にならないんです」。デビュー15周年での昇段を目指し、練習を欠かさない。「5分でも毎日触ることが大事なんです」

 ◇カブトムシ飼育に古典落語も

 さらに、夜店で子どもが買ったのがきっかけとなったカブトムシ飼育。「今年は少なめで40匹でしたが、去年は138匹。すっごく楽しいですね! さなぎになってから目が離せないんですよ。角が見えると『くるな、くるな』ってゾクゾクします。あれ、ちょっとひいてます?」。毎夏、ファンに配布するイベントもしている。

 2021年は「落語家」デビューも果たした。1カ月で古典落語を覚えて披露するテレビ番組の企画がきっかけだが「新しい扉が開きました」。熱を入れすぎて、マクラは流ちょうにしゃべれるが本題に入れない悪夢にうなされた。「師匠(立川志の春)から『落語家が見る夢だから見なくていい』と言われました」

 これも全て、歌のため。「本業の歌の世界は自分の『道』。ただ脇道にそれても一生懸命突き詰めるうちに栄養分がプラスされて、三山ひろしという木が育っていく気がします」

 大阪・新歌舞伎座で開幕する3年ぶり4回目の座長公演では、そんな自身と同じ気骨ある男の役に挑む。第1部の芝居「いごっそう纏(まとい) 天までとどけ‼」(池田政之作・演出)は江戸時代の火消しを巡る人情喜劇だ。高知出身の三山にちなみ、舞台は大坂と土佐。「『いごっそう』は土佐弁で、一本気な性格の男性のこと。僕も完全にいごっそうですね」。共演する三林京子ら「素晴らしい役者さんたちの芸を取り入れたい」と意気込む。第2部のステージでは「名曲100年」をテーマに幅広いジャンルの歌を披露する。

 「関西のお客様は温かいですが、優しさに甘えちゃいけない。毎回同じことをせず、生きた芝居を見てもらいたい」

 三山ひろし特別公演は5月20〜31日。新歌舞伎座ネットチケット(https://shinkabukiza.pia.jp/)。【反橋希美】

 ◇みやま・ひろし

 1980年生まれ。高知県南国市出身。2009年に「人恋酒場」でデビュー。

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