〝赤ちゃんを5万人…〟助産師が衝撃告白 ドキュメンタリー映画「一人っ子の国」

〝赤ちゃんを5万人…〟助産師が衝撃告白 ドキュメンタリー映画「一人っ子の国」

ドキュメンタリー映画を紹介した有村昆

(東スポWEB)

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。中国当局が、2022年末の中国の総人口が前年末と比べて85万人減の14億1175万人になったと驚きの発表をしました。中国の人口が減少するのは1961年以来61年ぶりで、人口減少に向かいつつあるようです。

 日本同様に価値観の多様化、晩婚化といった理由もあるけど、中国には「一人っ子政策」という特有の事情がありました。そこで今回は、一人っ子政策の闇を暴いた米ドキュメンタリー映画「一人っ子の国」(2019年)を紹介します。

 中国出身の女性ナンフー・ワンさんとジアリン・チャンさんが監督を務め、ナンフー・ワンさんが生まれた赤ちゃんを中国の田舎の親戚に見せに行くところから映画は始まります。一人っ子政策は1979年〜2015年まで行われ、ナンフー・ワンさんが生まれたころもまだ一人っ子政策が続いていた。そこで彼女は母親、親戚に一人っ子政策について話を聞いて回ります。

 図らずも2人目ができたり、双子のケースもありますよね。中国も男が家を継ぐという考えなので、どの家庭も男の子が欲しい。女の子が生まれたらどうするかというと、捨てちゃうんです。女の子を捨てて次のチャンスにかけるようなことが起きるワケです。赤ちゃんをゴミ袋に入れ、市場のゴミ捨て場に捨てるということが起きていたそうです。さらに人身売買も横行したんですね。

 インタビューで助産師が出てくるんですけど、一人っ子政策を理由に「何人ぐらい取り上げたか分からないけど、5万人殺した」とショッキングな証言をする。彼女は罪の意識にさいなまれ、一人っ子政策廃止以降は不妊治療のボランティアを行っているそうです。

 映画はナンフー・ワンさんが自分も双子で、もう1人が米国にいることが分かって会いに行くという物語に変わっていきます。結末はぜひ、本編でご覧ください。

 一人っ子政策は学校の授業で習って、人口爆発を防ぐのが目的なのは知ってるんだけど、その裏側にある物語までは知りませんでした。こんなことが数年前まで起きてたんだと。

 公開当時のデータではありますが、中国では女性より男性のほうが約3000万人以上も人口が多くなり、結婚できない男性が増えるという新たな問題も生まれました。

 当事者たちは一様に「仕方がなかった」と言うんです。政府がプロパガンダで国民をどんどん洗脳し、国策とはいえ自分の子供の命ですら奪ってしまう。子供を殺すことを「仕方がなかった」のひと言で片付けてしまう国ってどうなのって思います。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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