【訃報】俳優の寺田農さんが肺がんで、81歳、豊かな表現力で欠かせない存在

俳優の寺田農(てらだ・みのり)さんが、肺がんのため、3月14日に亡くなったことが23日、分かった。81歳。この日、所属会社が発表した。
所属事務所は公式サイトで、「弊社所属、 寺田農が2024年3月14日未明、肺がんのため81歳で永眠いたしました」と伝えた。
「最後まで仕事を続けながら、諦めることなく希望を持って、治療に励んでまいりましたが、桜の開花を待たずして帰らぬ人となりました」と報告。「これまで応援して下さったファンの皆様、多くの作品でお世話になりました関係者の皆様の生前のご厚誼(こうぎ)に深謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます」と記した。
すでに、家族葬を終えたことも明らかに。「なお、故人ならびにご遺族の意向により近親者のみにて家族葬を執り行いましたことを併せてご報告いたします。誠に勝手ながら、ご弔問・ご香典・ご供物・ご献花の儀は辞退させていただきたく存じます。何卒(なにとぞ)ご理解賜りますよう宜(よろ)しくお願い申し上げます」と呼びかけた。
寺田さんは早大在学中に文学座研究生募集に合格して大学を中退。1962年、ドラマ「われら青春」でテレビ初出演した。64年には劇団雲の研究生となり、「じゃじゃ馬ならし」「黄金の国」などで舞台に立つ一方、「恐山の女」で映画デビュー。ドラマ「青春とはなんだ」にも出演し注目された。
1968年映画「肉弾」(岡本喜八監督)の主役に抜擢され、毎日映画コンクール男優主演賞に輝き、俳優としての地位を確立。1985年には、映画「ラブホテル」でヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞した。
豊かな表現力には定評があり、ナレーションや朗読出演も多い。声優としても、アニメ映画「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役が評判を呼んだ。晩年まで、ドラマには欠かせない存在として活躍。昨年もテレビ朝日系連続ドラマ「刑事7人 Season9」の第4話にゲスト出演した。