『第46回 日本アカデミー賞』授賞式が10日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、最優秀作品賞に『ある男』が輝いた。同作品はそのほかにも監督賞(石川慶監督)、主演男優賞(妻夫木聡)、助演男優賞(窪田正孝)、助演女優賞(安藤サクラ)などを含め、今年最多となる8つの最優秀賞を受賞した。
石川慶監督は「本当にありがとうございます。難しい題材をチャレンジさせてくれた松竹の皆様、作品を預けてくれた(原作者の)平野(啓一郎)さんにもお礼を言いたいです」と感慨を述べた。
最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木は「本当にうれしいです。監督とは、監督のデビュー作(『愚行録』)からずっと一緒で…」と話したところで、涙をこらえきれなかった。喜びの涙を拭うと「一番、僕は彼の才能というものを間近で見ていた自負があるので、こうやって認めてくださったことがうれしいです」と誇らしげに胸を張った。
『ある男』は、「第70回読売文学賞」を受賞した平野啓一郎氏の同名小説を、『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が映画化。弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者である里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査という奇妙な相談を受ける。愛したはずの夫は、名前も過去もわからないまったくの別人だったというのだ。「ある男」の正体について調査を進める城戸は、さまざまな人物からの話を聞き、真相に迫っていくヒューマンミステリー。
優秀作品賞にはそのほか、『ある男』、『シン・ウルトラマン』、『月の満ち欠け』、『ハケンアニメ!』、『流浪の月』が選出された。