【悼む】ムツゴロウさんの自然児のような振る舞い 計算ずくでは生み出せない爆発的ブーム呼んだ

<悼む>

動物との共生を掲げた「動物王国」で知られ、ムツゴロウの愛称で親しまれた作家の畑正憲(はた・まさのり)さんが5日午後5時53分、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳。

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自ら監督した映画「子猫物語」の初日舞台あいさつのちょっと不安げな表情が記憶に残っている。「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」の放送が始まってから6年目の86年のことで、初日だけで20万人を動員する異常な盛り上がりだった。

「あまりの成功に背筋がゾッとします」

不定期に放送されていた「ムツゴロウ−」では底抜けな笑顔が当たり前だったので、意外だった。主演のトラ毛ネコ、チャトラン(当時3歳)も飼い主の心中を察してか背中を丸めていた。ムツゴロウ人気はこの頃から強力コンテンツとして当時のフジテレビの隆盛を支えていく。

気持ちの赴くままに北海道に移住し、共に暮らす動物たちを題材にエッセーを書いていた畑さんにとって、膨れ上がったブームは決して手放しで喜べるものではなかったはずだ。「東京ムツゴロウ動物王国」は2年と持たずに06年閉園したが、この時のさばさばとした様子が印象的だった。

近年、北海道のログハウスに帰った畑さんがホッとしたような笑顔でいくつかの取材に応じている。

その行動は時として行き当たりばったりに見えたが、まるで自然児のような振る舞いこそが、計算ずくでは生み出せない爆発的なブームを呼んのだと思う。【相原斎】

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