【山口敏太郎の現代妖怪図鑑174】頭をなでると転んでしまうお地蔵さん「おころびさん」

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第174回は「おころびさん」だ。

 ある地域に実在する地蔵さんである。なぜ「おころびさん」と呼ぶかというと、この地蔵さんの頭をなでて通り過ぎると、なぜか転んでしまうからである。

 ある体験者が子供の頃、実際にこの地蔵の頭をたたいて通過したところ見事にこけてしまったという。

 その後成長した体験者は中学生になった時に「あれは単なる偶然であろう」と判断し、その地蔵さんの頭をたたいてから通過した。すると、見事に自転車で転倒し腕を折ってしまった。

 現在、その体験者が成長し、自動車の免許を取っているが、もう地蔵さんの頭をたたいて通過しようと思わない。

 この話を聞いた時に伝承妖怪の「袖もぎさま」を連想してしまった。中国・四国地方に伝承される袖もぎさまは、道端にある祠に袖を奉納しないと祟りがあるといわれた。他にも「袖もぎ坂」「袖もぎ橋」などが伝わっている。

 路傍に出る妖怪では「袖引き小僧」がいる。これもまた、出没する場所を知らないで通り抜けた場合、袖を何者かに引かれてしまうという。

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