あれはまだコロナもない4年前の夏。蒸し暑い神宮球場でのナイトゲーム、ヤクルト対広島戦を観に行った日だった。じっとしていても汗が噴き出す湿気の中、私は大好きなビールをガブガブ飲み、カープに声援を送っていた。5杯目を飲み干した時、下着どころかポロシャツまでびしょびしょになっていることに気がついた。ビールを飲めば、汗をかくのは当たり前だ、と思いそのまま飲み続けた。
試合終了後、自宅に帰りバタンキュー。
翌朝、体が重く微熱が出た。そしてその夜、またも神宮球場へ。ガブガブ飲み、帰宅してまたもやバタンキュー。
その次の朝、38度を超える発熱で一日中寝ていた。知人の医者に電話すると、熱中症の可能性大だという。熱中症は昼間、猛暑の中を外出したりスポーツをしたりするとかかってしまうものだと思っていたが、そうではないと言う。私の行動で一番ダメなのは、ビールのガブ飲みだと言うのだ。
ビールには利尿作用があり、体内でアルコールを分解するにも水分が必要なのに、その水分が体から失われてしまい、軽い熱中症になったと診断してくれた。「ビールは水分補給にならないの?」と聞いたら「なるわけない」とピシャリと言われてしまった。それ以来、我が家には経口補水液を常備するようになった。
その医者に言わせると、メーカーは決して推奨しないが、経口補水液は二日酔いにも効果絶大で、その医者も飲み過ぎた翌日はよくお世話になっていると電話口で笑っていた。
ズムスタ応援の際、熱中症にご注意下さいな。
山中 秀樹 (やまなか・ひでき)1958年生まれ、広島市南区出身。幟町小から修道中・高、早大第一文学部を経て、81年にフジテレビにアナウンサーとして入社。同局の看板アナウンサーの1人として幅広い分野で活躍。06年12月31日付で同局を退社。現所属は(株)タイタン。血液型はO、好きなものは芋焼酎で、苦手は変な日本語。特技はベンチプレス100キロ。美智代夫人と2人暮らし。