【ボクシング】中広大悟氏、新たな“リング”で挑戦

 元プロボクサーで、元日本スーパーフライ級王者の中広大悟氏(40)が、新たな“リング”に挑戦する。引退後は大学院で学び、作業療法士として主に精神疾患の患者の治療にあたってきた中広氏が、新組織を立ち上げ、悩める若者の“駆け込み寺”となる場の提供に歩みを進めている。

 現役を離れても、中広氏が次々と繰り出すキレのある“パンチ”にはワクワクさせられる。何より、本人が一番、ワクワクしているのがいい。

 6年前から、精神疾患に悩む人たちにリハビリを施す作業療法士として活動を続けてきた中広氏。その活動を通じて、精神疾患はもちろん、児童虐待や学校でのいじめ問題など、「取り組みたい」と思える分野がどんどん広がってきた。

 「よろず屋のような、そういう人たちが頼れる組織を、代表として立ち上げる準備をしているところです」

 目指すところは『健康』な人を少しでも増やすことだ。「運動、睡眠、食事のバランスが取れれば体は健康になる。体が健康であれば、心も健康になっていくんです」と言う。

 そのために、食育にも手を広げる。いじめる側、いじめられる側双方、例えば自身のボクシングの経験を通じて「たたくこと、たたかれることはこういうことなんだよ、ということも教えることができる」など、幅広い経験値が社会問題解消に役立てられると考えている。

 3年前には児童虐待防止イベントも計画していたが、コロナ禍により中断を強いられた。しかし中広氏は、そうしたつまずきすら「致命傷でない失敗は、実体験の積み上げに結びつきますから」とプラスに捉えている。

 そして、本当にやりたいことが見え始めてきた。最初は、プロボクサー時代「精神疾患を持つ方にもたくさん応援していただいた。その恩返しがしたくて、世間の偏見を減らしたくて」というのが、第二の人生。ただ、作業療法士は「オプション」と言う。どんな形であれ、恩返しをする気持ちは変わらないが「より説得力を持つために資格を取得した」。

 だから、やるべきことは作業療法士の範ちゅうにとどまらない。これから始まる第三の人生のイメージでは、半分は、長年世話になっている医療法人「せのかわ」のスタッフとして、今の仕事を続ける。そして半分は「自分個人」として組織を立ち上げる。

 まだ一案だが「リングス広島」のような名前を考えているという。ボクシングのリング、そしてどんどん広がる人の輪の、リング。そこに集まってくる人が「健康になれたわ」と言ってくれる組織が間もなく、広島に誕生する。

◆組織立ち上げ前も相談大歓迎

 中広氏は精神疾患治療や児童虐待、いじめその他、社会問題に取り組むべく組織作りを進めているが、組織立ち上げ前の相談も「歓迎します」という。相談事などある場合は中広氏のメールアドレス(hmhnrp@gmail.com)で受け付けている。

 中広大悟(なかひろ・だいご)1981年8月21日生まれ、40歳。広島県三次市出身。県皆実高ではサッカー部。広経大進学後、広島三栄ジムに入門しボクシングを始め01年プロデビュー。08年日本スーパーフライ級王者となり3度防衛。県内のジムでは2人目の日本王者で防衛は同氏が唯一。14年引退。通算30戦24勝(10KO)4敗2分け。広経大大学院卒。

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