4枚の作品群に映るM@naさんは艶やかな黒髪で柔らかなピンクの着物と赤い袴姿。大正時代をモチーフとした太正から令和に、さくらがタイムスリップしてきたかのような華やかさを感じさせる。
7月20日にXで公開し、2日後には500いいねを突破。自分でも「あばばばばばば。朝起きたら500いいね超えてた。あばばばばばば…アバアバアバアバアバレンジャ!」と反響の大きさは言葉にならないほどだ。
撮影したカメラマンは十四楼氏(@tohshilaw)とMatatabi氏(@matatabi_origin)、そしてM@naさん自身。SNSのフォロワーからも「凄い素敵ですね!」「正に唯一無二のヒロイン」「まなちゃんのさくらコスです!!カワカワです。推しにはいいね押しってね!!」「華やかだし、綺麗だし雑な部分も違和感もないしほんとクオリティ高い」などと続々と賛辞が寄せられていることから、クオリティーの高さは誰もが納得するところだ。
このコスプレはM@naさん一人では決して完成させることができなかったという。
「『キャラクターが現実に居たら』をテーマにし、本物の着物、袴、帯を使用して作成しました。長年愛されるキャラクターだからこそ、元のイメージから離れる事もないよう、生地の色、桜柄刺繍の色や配置等考えました。
ただ私は発売当時から作品に触れていた世代では無い為、当時からのファンである上司に色と素材の相談。友人には資料集めを手伝っていただきました。
1番のこだわりは着物の桜柄です。着物への刺繍は初めてだったので、動画を観ながら、知識が無いなりに一輪づつ絹糸で手刺繍をしました。絹糸独特の光沢感と、プリントでは表現できない厚みを見ていただきたいです。
そんな刺繍作業中、当時寝たきりだった祖母から言われた『着た姿が見たい』の一言が忘れられません。残念ながら、祖母は完成を待たずに息を引き取ってしまい…私のコスプレ姿を見せることができなかったんです。悔しい気持ちでいっぱいでした。
そんな思いを汲み取ってくださったカメラマンさん方が、祖母と私の為に撮影して下さった写真がこちら(3枚目及び4枚目)になります。生前、皆さんの写真に写る孫の姿を喜んでいた祖母にとっても、後悔と悔しさの中にいた私にとっても最高の宝物になりました。
この作品は私だけのこだわりだけで無く、携わってくれた全ての人のこだわりが詰まった作品です。
この記事を読んで下さった方に、オタクもコスプレもカメラも…全ての趣味が誰かの支えや掛け替えの無いものになっていて、素晴らしいものだと伝わる事を願っています」
満開の桜の花に囲まれたM@naさん。まるで旅立った祖母に見守られているように穏やかな空間に包まれ、おくゆかしさを醸し出している。
(コスプレ図鑑取材班)