本作は、刀鍛冶の里を舞台に、炭治郎(花江)と上弦の肆・半天狗(古川登志夫)との激闘の決着と、禰豆子(鬼頭)の太陽克服を描いた「刀鍛冶の里編」第十一話の劇場初上映に加え、春にフジテレビ系にて放送開始となる「柱稽古編」の第一話を世界初公開するもの。
炭治郎役の花江は「劇場でやってくれてありがとうございます、という気持ちでいっぱい」と本シリーズをスクリーンで観られる機会に感激しきり。「『鬼滅の刃』といえば、どの話をとっても劇場で絶対に観たいなと思うようなクオリティ。気合の入った、劇場で観たかった第十一話を観ることができる。大迫力の映像ですし、いい音響で観ると息遣いひとつとっても、すごく伝わってくる。まさに呼吸を感じるような上映」と熱っぽく語る。
禰豆子の太陽克服も描かれるが、禰豆子役の鬼頭が「禰豆子にとってとても大事なシーン」と切りだすと、花江は「原作を読んでいる時から、楽しみにしていたシーン。どうやって演じてくれるんだろうというワクワクと、その先の感動がすごかった。一緒に演じることができて楽しかった」としみじみ。「柱稽古編」の第一話がついに世界初公開となったことについては、我妻善逸役の下野が「柱がバンバン活躍していくんだろうなという期待を膨らませてくれた。どんな呼吸、どんな技が出てくるのか」と胸を高鳴らせ、嘴平伊之助役の松岡も「やっと来たなというのと同時に、ここから地獄の一丁目かという感じ。始まるなという感じ」と興奮を口にしていた。
不死川玄弥役の岡本は、本シリーズの舞台挨拶に初参戦となった。岡本は本シリーズのファンについて「エネルギッシュ」と印象を明かしつつ、「玄弥は最初に出てきた時に、皆さんからするとちょっと嫌なヤツという印象だったと思います」と吐露。「バックボーンが描かれていくうちに、一生懸命だっただけということがわかる。自分の身を削りながら頑張っている子。実はかわいい子。最後に、炭治郎と禰豆子を見てニコッと笑う。あれは幼少期の笑顔とほぼ一緒。かわいらしい」とたっぷりと愛情を傾けた。幼少期の玄弥も担当したが、「大丈夫かなと思った。僕も命を削りながら、あの当時の玄弥を演じさせてもらいました。心を燃やしました!」と必死に演じたことを明かしていた。
さらに岡本は「花江くんが本当に優しくて」と口火を切り、「ずっと『僕は玄弥が好き』と言ってくれている」とうれしそうにニッコリ。花江は「我が家は、“玄弥推し”。妻が寝ている玄弥を見て、かわいい!と言っていました」と家族で玄弥が大好きだそうで、「みんな、玄弥好きだよね?」と語りかけると、会場からは同意を表すように大きな拍手が上がり、岡本は「うれしい!」と笑顔を弾けさせていた。
テレビアニメ「柱稽古編」のオープニング主題歌が、「MY FIRST STORY × HYDE」による「夢幻(むげん)」に決定したことも発表されたほか、キャラクターの着ぐるみも駆けつけて会場を盛り上げたこの日。最後に花江は「『刀鍛冶の里編』は、炭治郎と禰豆子にとってとても重要なお話。ぜひ大きいスクリーン、いい音で観ていただきたいと思っていました。『柱稽古編』は、柱たちにスポットを当てて、彼らが思っていること、そして鬼殺隊がどういう想いをつないで鬼舞辻無惨に挑んでいくのかが描かれる、重要なお話。煉獄さんの言葉を借りるんですが、心を燃やしてアフレコに挑んでいました」と胸を張っていた。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正式表記
※鬼舞辻の「辻」の部首は「いってんしんにょう」が正式表記
取材・文/成田おり枝