ルフィの名前にある「D」が持つ意味とは?
『ONE PIECE(ワンピース)』は、コミックスの刊行が100巻を超え、いまだ連載が続いている大長編作品です。同作にはさまざまな伏線や謎があり、長い年月をかけて回収されてきました。
しかし、最終章に突入した現在も、主人公の「モンキー・D・ルフィ」に関する「未回収の伏線」が残されています。
たとえば「Dの意志」と呼ばれるワードも、それに該当するでしょう。『ONE PIECE』にはミドルネームに「D」のつくキャラが何名も登場しており、物語において重要な意味を持つ人物と考えられています。
その「Dの意志」という言葉が初めて登場したのは、コミックス17巻のことです。「麦わらの一味」が、当時の「ドラム王国」を出発する際、ルフィのフルネームを知った「Dr.くれは」が、「生きてたのか」「Dの意志は…」と発言しました。
それ以降、物語が進むにつれて、断片的に「Dの意志」に関連しそうな発言が見られるようになります。白ひげが死の間際に「血縁を断っても意志を受け継ぐものが現れる」「Dの一族が起こす巨大な戦いを世界政府は恐れている」といった旨の発言をしたのもその一例です。
ミドルネームに「D」が入るキャラは「Dの一族」と呼ばれており、「トラファルガー・ロー」の恩人である「コラソン(ドンキホーテ・ロシナンテ)」は、Dの一族のことを「神の天敵」と呼ぶ者がいることを明かしました。
このことから「Dの一族」とは「世界政府」と反する思想を持ち、最終的に神と呼ばれる「天竜人」や世界政府を倒す存在なのではないか、と考える読者も多く見受けられます。物語の重要なカギを握っているであろう「Dの意志」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
そうしたルフィに関する伏線らしき描写としては、占い師の「シャーリー」による予言もあります。
麦わらの一味が「魚人島」へ立ち寄った際にシャーリーがルフィを占ったところ、「ルフィの手によって魚人島は滅ぼされる」という不吉な結果が出ました。しかし、このときのエピソードでは、ルフィが魚人島を滅ぼすことはなく、島を離れています。
高い的中率を誇るシャーリーの占いが、今回に限って外れたとも思えず、ネット上でも「いつかルフィが魚人島を滅ぼすときが来そう」と感じている人の声が目立ちます。
ルフィが悪意を持って魚人島を滅ぼすのは考えにくいので、何らかの理由により、そうせざるを得ない状況になるのかもしれません。
例えば、亡くなった魚人島の王妃「オトヒメ」の願いだった「魚人島(リュウグウ王国の住民)の地上への移住」を叶えるため、海底1万mにある現在の魚人島を滅ぼす……という展開も考えられそうです。
そして、ルフィに関する一番の伏線といえば「ルフィの夢の果て」ではないでしょうか。「ひとつなぎの大秘宝」を見つけて「海賊王」になることがルフィの大目標であり、さらに彼が一部の人物にだけ明かした「その先の夢」を指して「夢の果て」と呼ばれています。
「ワノ国編」終了後、麦わらの一味にルフィが「夢の果て」について話すシーンがありました。「夢の果て」の内容を聞かされた仲間たちは、思い思いの反応を示しましたが、今のところ読者には「夢の果て」の内容は明かされていません。
また、かつての海賊王「ゴール・D・ロジャー」も、ルフィと同じ夢を掲げていたようで、どんな内容だったのか余計に気になります。
このルフィの「夢の果て」については、ファンのあいだでもさまざまな考察が行われています。「世界中を巻き込む大きな宴」「世界の海をひとつにすること」など、さまざまな説が飛び交っているようですが、果たしてそのなかに正解はあるのでしょうか。
ルフィの「夢の果て」は、海賊王という夢に続く、さらなる夢ということなので、物語のフィナーレ間際にはおそらく叶うはずです。「夢の果て」「Dの意志」「魚人島を滅ぼすこと」といった謎に関連性があるのかは不明ながら、最終章に突入した『ONE PIECE』だけに、こうした謎の「答え」が描かれる日はそう遠くないことでしょう。