シャンクスのラスボス説はあり得るのか?
少し前、『ONE PIECE(ワンピース)』ファンの間で「赤髪のシャンクス”ラスボス”説」が大きな注目を集めました。ほかに「黒ひげ海賊団」「海軍大将」「五老星」などルフィとは正反対の思想を持つ、それこそラスボスにふさわしい候補が数多くいるにもかかわらずです。
ただルフィは、立派な海賊になってシャンクスと再会することを目標のひとつにしているため、自慢の仲間たちとともにシャンクスと戦い、成長した姿を見せるという終わり方は決して不自然ではありません。
しかし、ネット上で盛り上がったシャンクスのラスボス説は、弟子が師匠を超える戦いのような、クリーンファイトを予想するものではありませんでした。むしろシャンクスこそが、世界における”真の黒幕”なのではないかという説だったのです。
その理由は、シャンクスの行動があまりにも怪しすぎるからでした。確かに「マリンフォード頂上戦争編」では「この場はおれの顔を立てて貰おう」のたったひと言で戦争を終結させ、「世界会議(レヴェリー)」開催時には五老星に接触するという驚きの行動に出ています。
なぜ海賊でありながら、これほどまで世界政府に対して強い影響力を持っているのでしょうか。シャンクスといえば、かつて政府の船を襲撃して「ゴムゴムの実」を略奪した過去があり、五老星にとってはかなり憎い相手のはずです。
これらの謎は、シャンクスが「天竜人」ならば説明がつくかもしれません。まだ確定したわけではないのですが、映画『ONE PIECE FILM RED』で「シャンクス=天竜人」説を裏付けるような描写がありました。
五老星は、同映画のヒロインであるウタをシャンクスの本当の娘だと認識しており、そのうえで「あの娘がフィガーランドの血筋でもか?」と漏らしています。のちに本編では、フィガーランドとは天竜人の一族の名前だと判明しました。つまり五老星の発言は、間接的にシャンクスがフィガーランドの生まれであることを示唆していた、と考えられているのです。
出自、経歴、行動、そのすべてが怪しすぎるとはいえ、シャンクスが完全な悪者だとは考えたくないですよね。あくまでシャンクスなりに世界を変えたいという思想があり、そのために奔走していると信じたいところですが、ここにきて改めてシャンクスの不可解な行動が目立つようになりました。
シャンクスは意外と腹黒い?
●意味深な行動で読者を翻弄するシャンクス! 「真の黒幕」説にも真実味が?
話題となったのは、「ワノ国編」ラストでの一幕です。カイドウの敗北を知った海軍大将の緑牛ことアラマキは、すぐさまワノ国を襲撃します。シャンクスの介入によって事なきを得ますが、そもそもなぜ近くに「赤髪海賊団」が停泊していたのでしょうか。
これに読者からは、「近くにいるならルフィに手を貸してあげればよかったのに」「安全な場所で戦いの行方を見届けていたのだとすれば、アイツなかなかの食わせ者だぞ」といった声が寄せられています。
加えて最近勃発した、キャプテンのユースタス・キッド率いる「キッド海賊団」との戦いでシャンクスは、しれっと「ロードポーネグリフ」の写しを略奪していました。以前からシャンクスはビッグ・マムやカイドウが「ロードポーネグリフ」を持っていたことは分かっていたはずですが、彼らには手を出さずキッドから奪い取ったのです。
ちょっぴり卑怯な気もしますが、シャンクスの行動は、どこか世界の流れを微調整しているようにも思えます。いずれにせよ、彼には何か遠大な計画があることは間違いないでしょう。
それがルフィたち「麦わらの一味」と真っ向から対立してしまうような、凶悪な計画でなければいいのですが……。もしかすると今後、誰にも予想できない急展開があるかもしれませんね。