2週目末の興行収入は6175万ドルで、見事なロケットスタートを切った前週と比較して67%減。初週末に叩きだした数字が大きければ大きいほど2週目の下落率が大きくなるのは仕方あるまい。直近のMCU作品の初週から2週目への推移を振り返ってみると、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)は67.5%減、『エターナルズ』は62.3%減と大きく、45日間劇場限定公開に踏み切った直後の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)は54%減に踏みとどまったが、総じてMCU作品は初週末に観客が集中する傾向が強い。
これが3週目以降どのような推移を見せるのかが、今後の大きな課題となるだろう。3週目末は概ね2週目末の3〜4割減となるものだが、その翌週から『トップガン マーヴェリック』(5月27日日本公開)を皮切りに『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日日本公開)、『ライトイヤー』(7月1日日本公開)、『ミニオンズ フィーバー!』(7月15日日本公開)とサマーシーズンの強豪が立て続けに公開。大きく増やすには次週末しかないが、果たして。
一方ベストテンには2本の新作がランクイン。そのうち4位に初登場を果たしたのは、1984年に当時8歳のドリュー・バリモア主演で映画化されたスティーヴン・キングの小説を、ブラムハウス製作で再映画化した『炎の少女チャーリー』(6月17日日本公開)。3412館で封切られ、オープニング興収は382万7715ドルと少々寂しい出足に。
「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのザック・エフロンが主演を務め、チャーリー役には『ブラック・ウィドウ』(20)でオルガ・キュリレンコの幼少期を演じたライアン・キーラ・アームストロング。比較的ハズレの少ないことで知られるブラムハウス作品ではあるが、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価は12%、観客からも47%とまさかの低評価に。それでも一部の層からは熱狂的に受け入れられそうな空気が漂っており、将来的に1984年版以上にカルト化する可能性も否定できない。
文/久保田 和馬