『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督最新作『イニシェリン島の精霊』

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督最新作『イニシェリン島の精霊』

映画『イニシェリン島の精霊』(2023年1月27日公開) (C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

(ORICON NEWS)

 今年の「第79回べネチア国際映画祭」(8月31日〜9月10日)でヴォルピ杯男優賞(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の2冠を手にし、注目を浴びている映画『イニシェリン島の精霊』が、今月21日より北米、イギリス、物語の舞台でもあるアイルランドなど世界各国で公開。日本では来年(2023年)1月27日公開を予定している。

 監督・脚本は、演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才、マーティン・マクドナー。前作『スリー・ビルボード』(17年)は、「第74回ヴェネチア国際映画祭」で脚本賞、「トロント国際映画祭」最高賞の観客賞を受賞。さらに主演のフランシス・マクドーマンドに2度目のアカデミー賞主演女優賞をもたらした。

 5年ぶりの最新作となる『イニシェリン島の精霊』は、本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島が舞台。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。

 急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。才気に満ちたせりふの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、“マクドナー印”の最新作となっている。

 日本版のポスタービジュアルで、アイルランドの美しい海辺の景色を前にたたずむ2人の男性は、主人公パードリック(コリン・ファレル)と親友のコルム(ブレンダン・グリーソン)。パードリックはコルムの様子をこっそりと伺っているようだが、コルムはパードリックに見向きもせず、まっすぐに正面を向いている。

 「すべてがうまく行っていた、昨日までは。」というパードリックの想いを代弁するかのようなコピーからも、2人の友情が一方通行であることを感じさせるが、コルムがパードリックとの絶縁を望む理由は何なのか? パードリックはコルムとの友情を取り戻すことはできるのか?

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