公開66日間で、観客動員数250万9428人、興収42億2975万6590円を突破する大ヒットとなっている。福田己津央監督、メカニカルアニメーションディレクターの重田智氏と約2年にわたって膝を突き合わせた藤田氏。イベントでは制作の裏側を明かし、秘話も次々と判明した。
藤田氏は「本作やるにあたって、3Dモデル作らないことには始まらなかった。主に重田さん、監督とだいぶセッションさせていただいた」と振り返る。大河原邦男氏の設定画から3Dモデルを作り、その後に重田氏からチェックバックがあり、それを再現して本番のモデルができたという。藤田氏は「ライジングフリーダム、イモータルジャスティスの2機は最初のすり合わせは苦戦した。イモータルジャスティスは20回ぐらい(作り直した)。『ああでもないこうでもない』と。いやいやというより『こういう考え方があるんだ』と、重田さんと密にやらせてもらった」と制作過程を懐かしんだ。ガナーザクウォーリアも遊び心で入れていたことも語られた。
続いては戦艦の話に。アークエンジェルを題材に「テレビアニメで出てきたぐらいのディテール感で1回ラフを作って。コアなファンの方だとわかると思うんですけど、各戦艦がテレビの時よりは全然ディテールが上がってるんです。インテークがいっぱいあったりとか。今回、劇場用に新規で起こし上げておりまして、それをさらに反映した。それで、さらにCGで質感つけた」と明かす。
完成まで「アークエンジェルは1年ちょい。ミレニアムは1年8ヶ月」と藤田氏が説明し、会場にはどよめきが。仲プロデューサーは「ミレニアムは最後の方まで完成しなかったよね」と思い返し、藤田氏は「ディレクターから言付けをいただいてて。『実はミレニアムよればもっといろんなディテールが見えるんですけど、なかなか一部分しか寄れなかったんで、本当はもっとなめ回してみていただきたい』って(笑)」と自信作への熱い思いを代弁していた。
また、仲プロデューサーは「途中で追加の設定が増えた」と促し、藤田氏は「最後に、ヤリ出てきましたよね。監督が『ヤリ出したい』と言って『ヤリ出すんだ。へえ!』みたいな(笑)。『ここら辺から、でっかい主砲出すんだよね』と言われたり」と秘話をぶっちゃけ。藤田氏は「ここまで来たらお祭り」と笑いながら制作した日々を振り返っていた。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズは、2002年10月より全50話で放送された、21世紀に入って初めて制作されたテレビシリーズのガンダム作品。物語は遺伝子調整がおこなわれた人類(コーディネイター)とこれまでの人類(ナチュラル)が、軍事組織ザフトと地球連合軍にわかれ戦いを繰り広げる。この戦争を通じ、コーディネイターである主人公のキラ・ヤマトの苦悩と成長が描かれている。
これまでのファン層に加え多くの女性層を獲得し、最高視聴率8.0%を獲得。さらに小学生を中心に第二次ガンプラブームを巻き起こし、“新世代のガンダムシリーズ”として一世を風靡した。
また、2004年10月から続編となるテレビシリーズ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』も放送され、前作を上回る最高視聴率8.2%を獲得。シリーズ累計のパッケージ販売数は驚異の400万本を超え、音楽、イベントなどテレビアニメシリーズの枠を超えて、日本中を席巻した人気作品となっている。
シリーズの完全新作となる劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のストーリーは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の続編となり、戦いが続く世界でキラやアスラン、シンたちの新たなストーリーが展開される。