<以下ネタバレ有り>
前回の第8話は表向きは「丸菱商事の社員」という肩書で、その実態は自衛隊の精鋭部隊「別班」の一員・乃木憂助(堺)は、幼い頃バルカ共和国で生き別れ、現在はテロ組織「テント」のリーダーとなった実の父「ノゴーン・ベキ」(役所広司)と会うため、テントへの潜入作戦をともにしていた別班の仲間を銃撃し“裏切り”、テントのアジトへ潜入。乃木はこれまで探し続けていた父とようやく対面したが…という展開だった。
テントがバルカの国土10分の1にもあたる北西部の二束三文にしかならない広大な土地を買い占めていた理由を探っていた乃木。その理由についてベキ、バトラカ(林泰文)から、大地震でできた地面の割れ目の地下200メートルの場所に半導体に欠かせない原料となる純度99・9%のフローライト(蛍石)が眠っていたことを明かされた。
そのフローライトを独占するために土地を買い占めていたテント。未だ購入できていない土地は1つだけ。そこはクーダンから近く、電気も水も通っているためフローライトの運搬のベースとなる重要な場所だった。
しかし、最後の区画はクーダンから近いため土地価格が高く3000万ドル(日本円で42億円)。高額すぎるため資金準備に手間取っていた。現在テントが確保している金額は2000万ドル。残り1000万ドルを確保するため乃木が動いた。
乃木はベキに「土地の購入に必要な1000万ドル。私なら誰一人血を流すことなく集められます」と断言し、「別班の機密情報」を使って集めるとした。それは別班員で共有している大手企業の内部機密、会計情報などだとした。
その情報を使い、別班の資金調達を担当していた黒須(松坂桃李)に成りすまして「株の信用取引」を行うことを提案した。乃木が「うまくいく保証」については「ありません」としたことにノコル(二宮和也)は反対した。だが、ベキは「血を流さず」に資金が調達できるならとして、保証金30億円を用意した。
そして「大鳥製薬」の治験失敗の隠ぺいをマスコミにリークし、目論み通り株の下落に成功。乃木は独断で10億円を追加しており、20億7000万円の利益をあげていた。