講談家の神田伯山(40)が21日、東京・新宿末廣亭で「神田伯山 講談放浪記」発売記念会見を行った。
巻末には、人間国宝の師匠神田松鯉(80)との師弟対談が収録されており「貴重な資料となっている。師弟対談のところだけでも読んでほしい」と語った。
師匠から孫弟子に対して贈った言葉を明かした。
「修行時代が大事なのはもちろんですが、ただ人について、言われるがままに修行するだけではなくて、自分で言われたことの意味を考える修行も必要なんです」
伯山は師匠からの言葉に「すごくびっくりした」という。落語家の故立川談志さんが言った「矛盾に耐えることだ」という言葉を引用しながら、「今の時代にはしっくり来ない。とても大切なメッセージだと思う」と感心していた。
同作は、講談ゆかりの地を訪ねて、講談の魅力を発見する。伯山が名作講談の舞台となった場所を訪ねて、講談の持つ物語としての魅力を紹介。また、他芸能・他ジャンルの城ともいうべき場所を訪ねて、講談という芸能の未来について再考している。21〜22年の1年間にわたった文芸誌「群像」連載を大幅加筆したという。