1974年(昭49)の「花と蛇」など、日活ロマンポルノの主力監督として活躍した小沼勝監督が1月22日午後2時44分、肺炎のため亡くなった。85歳。所属していた日活が9日、発表した。葬儀は近親者で執り行った。お別れの会などは開かれないという。
小沼監督は、1937年(昭12)12月30日に北海道小樽市で生まれ、61年に日大芸術学部映画学科を卒業し、日活に助監督として入社。野口晴康監督、中平康監督らの助監督で経験を積み、日活ロマンポルノがスタートした71年に「花芯の誘い」で監督デビューを果たした。神代辰巳、曾根中生、田中登の各監督らとともに、数多くの傑作を世に送り出し、ロマンポルノが終了する88年までに47本を監督した。
代表作には「昼下りの情事 古都曼陀羅」(73年)、「さすらいの恋人 眩暈」(78年)、「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」(80年)などがある。中でも、作家の団鬼六さん原作、谷ナオミさんが主演の「生贄夫人」(74年)、「花芯の刺青 熟れた壺」(76年)などのSM作品は、世界的にも高く評価された。
初の一般映画となった「NAGISA」(00年)は、ベルリン映画祭キンダーフィルム部門でグランプリを受賞した。著書に「わが人生 わが日活ロマンポルノ」(国書刊行会)がある。