「消えない罪」犯罪者を待つ厳しい現実と罪の真相に迫るサスペンス

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さんと、全国で相次ぐ強盗事件の指示役「ルフィ」とされる渡辺優樹容疑者の過去の関係が取りざたされています。

 兼近さんは一連の事件への関与を否定しましたが、渡辺容疑者と「過去に知り合いだったのは事実」と認めています。兼近さんは以前にも過去の逮捕歴を週刊誌に報道されましたが、過去の自分と向き合い、信頼の回復に努めてきました。しかし今回の報道で再び過去が蒸し返され、出演予定だったイベントが中止になるなど仕事にも影響が出ているようです。更生には受け入れる側の社会にも考えなければならないことがあるのではないでしょうか。

 今回紹介するのはサンドラ・ブロック主演映画「消えない罪」(2021年)。警官を殺した罪で20年間服役したルース・スレイター(サンドラ・ブロック)が出所するところから物語は始まります。ルースは社会復帰しようとしますが、元犯罪者に対する冷たい視線にさらされることになります。彼女の願いは当時5歳だった妹と20年ぶりに再会すること。ところが、周囲からは「妹のためにも会うな」と反対されてしまいます。会えないイラ立ちからルースは感情が爆発するものの、逆に「警官殺し」とののしられ、恐れられてしまう。

 そんなルースにも勤務先の工場で、いい感じの男性ができます。心を許して自身の過去を明かしたところ、それが工場全体に広まり、同僚からひどい暴力を受けてしまいます。罪を犯した人間を待つ厳しい現実を描きつつ、ルースの罪の真相に迫るサスペンスでもあるので結末はぜひ、本編をご覧ください。

 兼近さんについてはいろいろな意見があると思います。確かに過去の罪は消せませんが、更生や社会復帰の道を閉ざすべきではないと思います。ただ、昨今騒動になっている、飲食店での迷惑行為の動画拡散について私たちはどう対応すればいいのでしょうか。迷惑行為は許されないにしても、デジタルタトゥーとして一生残り続けますからね。SNS時代の非常に難しい問題と言えます。 

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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