<※以下、ネタバレ有>
宮藤官九郎氏がオリジナル脚本を手掛けるヒューマンコメディー。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の阿部&宮藤氏&磯山晶プロデューサーが「タイガー&ドラゴン」以来19年ぶりにタッグを組んだ。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまう“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与える。
第2話は「一人で抱えちゃダメですか?」。再び令和にタイムスリップした小川市郎(阿部サダヲ)が持つスマートフォンに、昭和にいる向坂サカエ(吉田羊)から着信。市郎の話を信じていなかった犬島渚(仲里依紗)と秋津くん(磯村勇斗)だが、ビデオ通話でサカエが確かに昭和にいると分かり、面食らう。市郎は一人娘・純子(河合優実)とサカエの息子・キヨシ(坂元愛登)の“チョメチョメ”を未然に防ぐため、サカエに今すぐ自宅へ向かってくれと懇願。そして、あらためて渚と秋津に経緯を説明し、初対面した時の“渚の涙の理由”が気になっていたと打ち明ける。渚がこれまでに起こった出来事を語り始めると、それは現代の働き方の難しさを象徴するかのような内容だった…という展開。
渚は元EBSテレビの社員で、バラエティー番組のアシスタントプロデューサーだった。入社時は報道部に配属され、ニューヨーク支局に派遣。特派員だった谷口龍介(柿澤勇人)と知り合い、結婚した。谷口は現在、YouTube「正論チャンネル」など、フリージャーナリストとして活躍している。
帰国後、念願のバラエティー班に異動。長男・正人を出産し、職場復帰したものの…。“ワンオペ”の仕事と育児は限界に達し、退職届と離婚届を突きつけた。
「1人で抱えちゃダメかねえ」「そもそも、働き方って何だい」「働き方って、がむしゃらと馬車馬以外にあるのかね」「その改革、少なくとも彼女の助けになってないよね。だったら、1人でやった方がマシだって。しょうがなく1人でやってんの。♪それが彼女の働き方〜」「帰ればいいんだよ。お先〜って。♪それがそいつの働き方〜」
市郎の意見に、谷口も「同調圧力ってのがあるんだよ」と歌い、踊る。極論だと指摘された市郎は「時代に合わせなきゃダメかねえ。昭和、昭和って、まるで昭和が悪みたいに言うけどさ、少なくとも、景気は今よりよかったぜ」――。谷口は返す言葉がない。
渚は「やめるのやめました」と翻意。歌い、踊りながら上司のプロデューサー・瓜生(板倉俊之)に8個の条件を出した。「社員のやる気を削ぐのが、働き方改革ですか」――。正論ばかりの谷口に本音を吐露。親権は渚が持つことになった。
市郎にも思わぬ転機。極論が目に留まり、EBSテレビ人事部から同社のカウンセラー就任を打診され、ビデオデッキと引き換えに受諾した。
しかし、携帯の電波を探そうとし、喫茶「SCANDAL」のハシゴから転落。再び昭和に戻ってしまった。
コンプラ時代に問題提起した初回「頑張れって言っちゃダメですか?」(1月26日)に続き、今度は働き方改革に一石を投じる展開となった。