「一番大切なことを教わった」宝塚月組トップ月城かなと、16年締めくくるサヨナラショー

「一番大切なことを教わった」宝塚月組トップ月城かなと、16年締めくくるサヨナラショー

サヨナラショーの冒頭、「グレート・ギャツビー」の主題歌を歌う月城かなと ©宝塚歌劇団

(産経新聞)

宝塚歌劇団月組のトップスター、月城かなとが7日、東京宝塚劇場(千代田区)での退団公演「Eternal Voice 消え残る想い」とレビュー「Grande TAKARAZUKA 110!」の千秋楽を迎え、16年を過ごした宝塚に別れを告げた。公演に続いて行われたサヨナラショーでは、月城の持ち味である気品と知性あふれる舞台がよみがえる名場面が連続した。

最後のショーの幕が上がると、薄明かりの中から月城の後ろ姿が浮かび上がった。代表作「グレート・ギャツビー」で見せた背中で語る芝居を再現し、手が届かぬ恋人へのいちずな思いを吐露する「朝日の昇る前に」を熱唱。そして「川霧の橋」「ダル・レークの恋」と、宝塚の名作を現代によみがえらせてきた歩みを振り返った。さらに同時退団するトップ娘役、海乃美月も加わって「今夜、ロマンス劇場で」の主題歌を、視線を交わし合いながらデュエットした。

そして月城が紫色のスーツの上に、黒マントを翻すだけで空気が一変。地方公演で好評だった「ブラック・ジャック」になり切り、次期トップの鳳月杏、風間柚乃、礼華はる、彩海せらら男役スターらが踊る中、ハードな一面も見せた。

鳳月と同時退団者の場面に続き、舞台はジャズの世界へ。金色のトレンチコート姿の月城がショー「FULL SWING!」のプロローグ場面を再現すると、盛り上がりは最高潮に達した。最後は純白の衣装に身を包んだ月城と海乃2人だけになり、コンビの時間を惜しむように「あなたと2人なら」をしっとり響かせ、口づけを交わす演技で客席に余韻を残した。

「私は今まで、たくさんの役を演じてきました。その役全てが、心を動かし、豊かにしてくれました。宝塚の男役に憧れ、無我夢中で演じてきた時間、本当に楽しかったです。自分のこと以上に、誰かの幸せを願うのは、実践が難しい。それでも一番大切なことを、宝塚の男役に教えてもらいました」

月組メンバーと客席を見渡しながら大階段を下り、宝塚での16年をこう振り返った月城。「これからの人生も、たくさんの感情を経験し、精進してまいります。これから新しい月組と、皆様の幸せを心から願っております。本日まで本当にありがとうございました」とファンに別れを告げた。(飯塚友子)

つきしろ・かなと 横浜市出身。平成19年、宝塚音楽学校に95期生として入学。21年、宝塚歌劇団に入団し、雪組に配属。172センチの長身で、気品と知性を兼ね備えた男役として注目される。29年に月組へ移り、令和3年からトップスター。代表作に「グレート・ギャツビー」など。

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