米映画芸術科学アカデミーが23日、第96回アカデミー賞の候補を発表した。山崎貴監督の映画「ゴジラ―1.0」が視覚効果賞にノミネートされた。日本映画で同賞ノミネートは初めて。受賞すればアジア映画初の快挙となる。授賞式は3月10日(日本時間11日)に行われる。
同賞はその年に公開された映画の中で、最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉。過去には「スター・ウォーズ」、「アバター」など映画史を代表する超大作が受賞してきた。邦画・アジア映画が受賞した実績はなく、史上初の快挙に注目が集まっている。
本作は、ゴジラシリーズ70周年記念作品で、日本製作の実写として30作目。終戦直後を舞台に、敗戦で“無(ゼロ)”になった日本が、ゴジラの脅威により“負(マイナス)”に叩き落とされる物語。VFXは、山崎監督が所属する「白組」のスペシャリストらが手掛けている。主演を神木隆之介が務め、浜辺美波、吉岡秀隆らが共演している。
日本では昨年11月3日に封切られ、今月21日までの80日間で興行収入は54.5億円、観客動員数が354万人を記録する大ヒット中。北米では昨年12月に公開され、今月21日までの52日間で興行収入5189万ドル(約76.7億円)を突破し、全世界興収では1億ドル(約147億円)に上っている。
山崎監督はこのほどスポーツ報知などの取材に、同賞ノミネートのためのプレゼンテーションで渡米したことを明かし「ゴジラはやっぱりスーパースターだなと実感しました。世界の一流の監督やプロデューサーたちが、『キャラクターたちのアーク(変遷)が素晴らしい。俳優のお芝居がすごくよかったし、感情移入できて面白い』と言ってくれた。ノミネートを果たしたら喜びを爆発させたいですね」と候補入りへの手応えを語っていた。