「カメ止め」リメークの仏作品がカンヌ映画祭で上映「長い旅がまさかカンヌまで」上田慎一郎監督

「カメ止め」リメークの仏作品がカンヌ映画祭で上映「長い旅がまさかカンヌまで」上田慎一郎監督

「カメラを止めるな!」をリメークしたフランス映画「Final Cut」のカンヌ映画祭オープニング上映決定を喜ぶ、左から秋山ゆずき、竹原芳子、上田慎一郎監督、濱津隆之、しゅはまはるみ

(日刊スポーツ)

上田慎一郎監督(38)の18年の映画「カメラを止めるな!」をリメークしたフランス映画「Final Cut」が世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス、5月17日開幕)でオープニング作品としてプレミア上映されることが14日、同映画祭事務局から発表された。同作は、コンペティション部門外の、アウト・オブ・コンペティション部門の作品として上映される。

上田監督は「たった2館から始まった長い旅がまさかカンヌまでつながっていくとは。これからどうなっていくのかまだまだ楽しみがつきません!」と喜びのコメントを寄せた。またツイッターではこの日、「Final Cut」の日本での初号試写を見たと明かし「そうです。カンヌより先、世界中の誰より先に見て参りました! めっ…ちゃ!! 色々書きたいけど語りたいけど、これどう?まだ何も言わない方がいいよね?どう?もぉこれはファンの皆さんに聞いたほうがいいかと思って!」とコメントした。

「カメラを止めるな!」は、山奥の廃虚を舞台に、37分間ワンシーン・ワンカットでゾンビサバイバル映画を撮影する自主映画の撮影隊を描いた。ゾンビ映画の恐怖感はもちろん、監督が映画作りを追求し、テイクが42に及ぶうちに本物のゾンビが襲いかかる中、大喜びで撮影を続ける監督と次々、ゾンビ化していく撮影隊の狂気とも言える奮闘ぶりを、企画立ち上げから撮影現場の裏側まで生々しく描いた。ノンストップな展開と、物語が途中で大どんでん返しを迎える脚本の妙が話題となった。

新人だった上田監督が17年4月にオーディションで無名の俳優を選び、ワークショップを開催し、約300万円で製作。同年11月に6回のイベント上映で終わるはずだったが、18年6月23日に東京・新宿K’Sシネマと池袋シネマ・ロサで封切られた後、同監督とキャスト陣が観客に直接、作品を伝え続け、SNSで拡散され、社会的なムーブメントを巻き起こした。公開館数は全国375館まで増え、224万人を動員。興行収入31億円超と、日本映画史に残るヒットを記録した。

「ONE CUT OF THE DEAD」のタイトルで海外でも公開され、特にフランスでは同国最大の日本映画祭「KINOTAYO(キノタヨ)現代日本映画祭」でオープニング作品として上映。観客投票で決定される最高賞「ソレイユ・ドール」を受賞し、19年3月から劇場公開もされ、話題を呼んだ。同作を、12年のアカデミー賞で作品賞、監督賞など5部門を受賞した「アーティスト」で知られる、フランスのミシェル・アザナビシウス監督(55)が「カメラを止めるな!」をリメークした。

濱津隆之(40)が演じた撮影隊の日暮隆之監督に当たる役を、05年「真夜中のピアニスト」などで知られるフランスの人気俳優ロマン・デュリス(47)が、アザナビシウス監督の妻で「アーティスト」でアカデミー賞助演女優賞にノミネート、13年「ある過去の行方」で世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭で女優賞を受賞したベレニス・ベジョ(45)らも出演。フランスでもコロナ禍が深刻さを増す中、21年4月19日からパリ郊外で撮影をスタートしていた。

日本の公開は7月を予定している。

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