「ウルフ・オブ・ウォールストリート」詐欺師はどう人をだますのか「3つのポイント」…有村昆が見どころ紹介

【ニュースシネマパラダイス】  どうも! 有村昆です。新型コロナの持続化給付金をめぐる詐欺事件のニュースが相次いでいます。「給付金を暗号資産に投資して2倍にする」という誘い文句で、高校生や大学生など計約200人を巻き込んだ事件では、何と国税局の職員が絡む悪質なものでした。被害総額は約2億円に上り、主犯格の男はドバイに高飛びしましたが、13日に帰国した際に逮捕。他にも家族ぐるみで約9億円をだまし取った男がインドネシアで逮捕されましたが、これらは氷山の一角なのでしょう。

 そこで今回はレオナルド・ディカプリオ主演「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)を取り上げたいと思います。これは、投資詐欺で逮捕された米起業家ジョーダン・ベルフォート氏の回想録を映画化した作品です。もちろんベルフォート氏は実在の人物。紙クズ同然の株を「これから上がるよ」などと大勢の投資家に吹聴し、自分だけ売り抜けるという詐欺をやってのけ、貯金ゼロから年収49億円を手にします。生活もド派手に一変。ランボルギーニを乗り回し、社内で乱交パーティーを行うわ、ドラッグにおぼれるわ、欲望の限りを尽くします。とはいえ、そんな乱倫な生活が長く続くはずがなく、FBIのお縄に…。

 僕は、このベルフォート氏に関して、3つのポイントがあると思うんですよ。

 1つは「詐欺師にはカリスマ性がある」ということ。ベルフォート氏は「オレについてこい!」というタイプで、社員に対し「お客にセールス電話をかけて、かけて、かけまくれ!」と鼓舞します。その求心力、人を巻き込む力は圧倒的。詐欺師は往々にしてそんな力を宿していますよね。

 2つ目は「天地の落差が激しい」。貯金ゼロから何十億円も手にして乱痴気騒ぎして、最後はブタ箱入り。このジェットコースター人生は一つのエンターテインメントです。だからこそ映画化も可能だったのでしょう。

 そして最後は「地獄からはい上がる多動力」。すでに服役を終えているベルフォート氏ですが、今、モチベーショナル・スピーカーとして詐欺に遭わないための公演活動をやっているんですよ。そのたくましさは感心すらします。

 詐欺師はどう人をだますのか。この作品はそれを教えてくれる一本と言えます。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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