開口一番、田中監督が「本当に誰が犯人なんだろうって感じはしますよね」と切り出した。長谷川演じた明墨弁護士は、自ら逮捕されて検事正・伊達原(野村萬斎)の不正を明らかにし、志水(緒形直人)の再審を勝ち取った。しかし、最終回では12年前の糸井一家殺人事件の真犯人までは描かれなかった。
飯田Pは「誰なんですかね」と笑いつつも、「でもいろいろ解釈できる」と謎のまま終わった醍醐味(だいごみ)を語った。また、勝手な想像と前置きした上で「桃瀬と明墨。つながりは糸井一家殺人事件で志水さんがえん罪かもしれないというだけだったが、なんかもっとつながりがあるんじゃないかなとか、明墨に託したものが、まだなんかあるじゃないかなと勝手なイメージがある」とアナザーストーリーへのイメージも膨らませた。
第2話で明墨が桃瀬の墓で涙するシーンについて「長谷川さんの演技に“うおっ”ってなった」という飯田Pは、「9話で登場した桃瀬の日記の内容にもつながってくるし、桃瀬から明墨に対する思いというところが、あそこ(2話の)の演技を受けてファインダーチェンジした部分はあった。明墨のキャラクターが深くなったところ」と続けた。
「やはり、桃瀬は元恋人的な関係だったんじゃないかなと僕は思うんですけど、おそらく明墨というのはちょっと変わってる人間ではあるので、謎に包まれているんですけど、でも人間であることには間違いないわけで。一番信頼関係があっただろうなとは考えつつ」と長谷川。自分なりの解釈を加えて、2人の関係性を演じていたことを明かした。
また、打ち合わせで「桃瀬と明墨は普通の分かりやすいような恋愛関係っていうのではなく、ストイックな恋愛感情みたいなのが見えるっていうのはどうなんでしょうか」と提案していたことも判明。「(桃瀬が)明墨を理解している感は9話を見て、ちょっと凄く感じた」と飯田Pが印象を話すと、田中監督も「絆で結ばれている感じは凄い表現してくださっていたなと、お互いが」と振り返った。
第8話まで長谷川と吹石が絡むシーンはなく、顔を合わせたのは後半の撮影に入ってからだったという。「吹石さんと一緒になったときにスッと(役に)入れたので、助けられたなという感じもあった」。撮影現場で、9年ぶりにドラマ出演した吹石に助けられたことも明かした。