22日に第1子となる男児を出産した音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の元ボーカルで、アーティストのコムアイがアマゾンで出産していたことが、31日までに分かった。パートナーである映画監督で文化人類学者の太田光海氏がインスタグラムで報告した。
太田氏はインスタで「現地時間7月22日夜、ペルーのアマゾン熱帯雨林にあるワンピス族の村にて、僕とコムアイさんの第一子となる男の子が誕生しました」と、アマゾンにある部族の村で出産していたことを告白。続けて「ワンピス族伝来の助産術を持つ産婆さん・アニータの隣の家に住み込み、世帯という概念すら曖昧な大家族に暖かく包み込まれるように食事や日常のケアを丁寧にしていただきながら、無事お産の日を迎えました。アニータの導きのもと、僕も助産のアシスタントとして産屋の中で作業しつつ、ときにコムアイさんがもたれかかる台になったり、マッサージをしたり、勇気づけたり、2人で身につけてきたお産の知識を思い出したり。陣痛の痛みは感じられないけど、最後まで絶対に2人でやり遂げるという強い覚悟で付き添いました」「赤ちゃんの髪の毛がうっすらと外に見えてきて、最後にコムアイさんがいきむ直前、例えようのない感情が溢れて涙がこぼれてきました。そして赤ちゃんがこの世に飛び出し、まだ人になりきっていないような産声を上げたとき、生命誕生の瞬間の凄まじさに打たれ、身も心も震えが止まらなくなりました」と出産を描写した。
アマゾンでの出産について、「こんな途轍もないことをやり遂げたコムアイさんのことを、心底誇りに思います。そして、全ての人間がお産を通して生まれてきたという当たり前の事実に対して、改めて言いようのない愛を感じざるを得ません」とした。さらに、「赤ちゃんには、ファーストネームに加えてミドルネームとして『ヒ』と名付けました。実は、ワンピス語では、日本語と同じように『火』のことを「ヒ」と言います。両方の言語で同じ意味を持つこの特別な単語を、この地でこの子が生まれた証として残したいと思いました。泣いてお乳を求め、次々おしっことうんちをする赤ちゃんと、『大工事』が終わった身体を癒やすコムアイさんを支えるため、ひたすら洗濯や料理や物運びに明け暮れるここ数日ですが、今まで感じたことのない種類の充実を噛み締めています。今回はお産のための滞在ではありますが、博士論文のためのフィールドワーク以来6年ぶりに長期間過ごしているアマゾンで、本当に多くのことを学び、感じています。今後、様々な活動に発展させていけるよう、引き続き前に進んでいきます。コムアイさんが妊娠して以来、日本にいたときから数えきれないくらい多くの方々に支えてもらい、ここまで来ることができました。僕たちに関わり、応援してくださる全ての皆様に対して、本当に心から感謝します。ありがとうございました!」とつづった。
コムアイは2021年9月に「水曜日のカンパネラ」を脱退。今年3月10日、インスタグラムで第1子妊娠を発表。「子の父は、映画監督で文化人類学者の太田光海さんです」と公表し、「婚姻については、籍は入れないつもりです。二人ともの考えとして、お互いの信頼のみに頼って関係を構築したいということと、名前を変えることに抵抗を感じていることが理由です。日本の婚姻制度に同性婚と選択的夫婦別姓を求めます。多様な家族の形が存在する現代社会に柔軟に対応する制度であってほしいです」と思いを記していた。