原作は「西洋骨董洋菓子店」「きのう何食べた?」などで知られる漫画家・よしなが氏が、隔月刊誌「MELODY」(白泉社)に2004年8月号から21年2月号まで連載した同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。ジェンダー、権力、病など現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描き、全19巻は累計600万部(紙・電子)を誇る。
過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は家光編から幕末・大政奉還まで初めて映像化。脚本は連続テレビ小説「ごちそうさん」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、TBS「JIN―仁―」「義母と娘のブルース」「天国と地獄〜サイコな2人〜」などのヒット作を生み続ける森下佳子氏。主題歌はシンガー・ソングライターの幾田りらが新曲「蒲公英」(たんぽぽ)を書き下ろした。
「Season2」も引き続き、脚本は森下氏が執筆。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが奇妙な病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅へ立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を描く。大筋は原作通りのストーリー展開だが、ドラマは「医療編」「幕末編」と銘打つ。
「赤面疱瘡」撲滅に向けて立ち上がる「医療編」の鍵を握るのが、長崎生まれの“混血児”で、金髪碧眼の青沼。青沼は名を吾作といい、鎖国体制時代の日本で唯一、貿易が行われた長崎でオランダ人と丸山遊女の間に生まれ、“混血児”として時につらい思いをしながらも、蘭学医として勉学を怠らなかった。そんな中、10代将軍・家治の治世下で老中として幕政を主導する田沼意次は、赤面疱瘡撲滅のため吾作に目をつける。江戸へ行くことをはじめは拒んだ吾作だが、自身が赤面疱瘡に罹患した際に田沼の命で長崎を訪れていた平賀源内に命を救われ、江戸に行くことを決意。名を青沼と改め、御右筆として大奥に入る。
発表前から原作ファンの間で注目を集めていた「金髪碧眼の青沼」に抜てきされた村雨は、「●●●」。
【Season2あらすじ】
<10代・家治>老中となった田沼意次は吉宗の遺志を継ぎ、大奥に蘭方医を集めて赤面疱瘡の治療法開発を進める。中心となる蘭方医の青沼、平賀源内の助けも得て人痘に成功するが…。
<11代・家斉>男将軍として就任した家斉だが、政治に口を出すことは許されず、実権は母・治済が握っていた。治済は家斉に子づくりを強制。その一方、生まれた子らを退屈しのぎに暗殺していく。そんな中、家斉は治済に隠れて黒木らに接触し、極秘裏に赤面疱瘡研究を再開…。
<13代・家定>1853年(嘉永6年)に黒船が来航すると江戸は大騒動となり、12代・家慶は急死。家定が13代将軍となる。家定は老中・阿部正弘と総取締の瀧山とともに開国を進めていく。そんな中、家定はのちの天璋院・島津胤篤を夫に迎えることに…。
<14代・家茂>14歳で女将軍の座に就いた家茂が京から迎えた正室・和宮。公武合体のために嫁いできた孝明天皇の弟…のはずが、来たのは和宮の姉だった…。
<大政奉還、そして>新政府軍を率いる西郷隆盛は「外国は男たちが統治しているのに、徳川は女たちが統治。こんな恥ずべき歴史は即刻、消すべき」と。焦土戦もいとわぬ新政府に対し、歴史の書き換えと引き換えに女たちは江戸城総攻撃を回避し…。