人気時代劇「水戸黄門」の3代目黄門役を務めた俳優の佐野浅夫(さの・あさお)さんが6月28日、老衰のため亡くなった。96歳だった。葬儀は家族で済ませた。
横浜市出身。日大芸術学部在学中の1943年、劇団苦楽座に入団。戦後は、新協劇団を経て劇団民芸に入り、「どん底」「セールスマンの死」などの舞台で20年にわたり活躍した。
在団中からテレビでも活躍。NHK連続テレビ小説「藍より青く」、TBSの人気ドラマ「肝っ玉かあさん」などに出演した。TBSのドラマ「おやじ山脈」など、下町の庶民的な父親役に定評があった。
TBSの長寿時代劇「水戸黄門」では、93年から3代目の黄門役となり、優しい「泣き虫」黄門様として独自色を出し、2000年まで演じた。
また、NHKラジオで1954年に始まった幼児向け番組「お話でてこい」で長年朗読を聞かせ、70年代にはNHKのクイズ番組「ゲーム ホントにホント?」に出演。幅広い世代に親しまれた。
96年に勲四等瑞宝章を受章した。