藤原は桂さんとのツーショットを複数枚投稿。在りし日の思い出を振り返りつつ1186文字の長文で桂さんへの思いをつづった。そして最後に「先生の好きだった歌をずっと聴いています…」と締めくくり、ハッシュタグには「#千の風になって」と添えた。
以下は藤原が投稿した追悼文。
桂由美先生の突然の訃報に接し、今年1月の舞台『西遊記』、2月の『メイジ・ザ・キャッツアイ』にも元気に足を運んでくださっていたので、知らせを受けた時は驚きと悲しみで胸がいっぱいでした。
週末は幸せなお式が多いから、と今回の公表を控えていたのはきっと桂先生の気持ちのわかるスタッフの皆さんがそのようにしたのだと感じています。桂先生の精神はユミカツラのスタッフにしっかりと伝わっているのでしょう…。
文金高島田の時代にたくさんの逆風を受けながら、ウエディングドレスや、エスコートする男性のために燕尾服も日本に広められた先駆者というだけでなく、友禅や西陣の織物も果敢にドレスにとりいれ、日本の伝統工芸にも大きな功績を残した方。
私もこれまで、映画の撮影や映画祭,歌謡祭の司会、審査員、イベントなど様々な仕事で、友禅ドレスや絞りのドレス、伊藤若冲や浮世絵のデザインドレスなどに身を包ませていただきました。その度ワクワクが止まりませんでした。
衣装合わせのため、お城のような乃木坂のサロンを訪れるたび、先生は美術品のような素敵で可愛いソファに座りニコニコして待っていてくれました。時にはワンちゃんと。
そして、90歳を過ぎても自らテキパキと「ここはこんな風にした方が紀香さんには合うわね」と何着ものドレスのフィッティングやお直しにお付き合いくださり、「当日は楽しみね。私も伺ってよろしいかしら?」と現場に来てくださることも多くありました。
そして「愛之助さんはいまどちらで歌舞伎をされているの?」と常に夫のことを気にかけてくださり「ユミカツラチームで応援に行くわ」と皆さん揃って毎回 応援に来てくださいました。
先生はいつお会いしても、指先までお綺麗で、四季を感じる色でネイルをされていました。ターバンからお洋服、お靴まで、見るたびに違う装いで、会う人の目も心も楽しませてくださいました。
昨年末もお電話をくださり、「私はね、きれいなものを作って、いつも人を幸せにしたいと思ってるの。それが生き甲斐なの。いまの夢はね,〓アニバーサリーウエディング〓を世の中に広めたいの。人生の節目の年の結婚記念日に、夫婦がまた新たに、周りへの感謝の気持ちを込めてお式を開くことがこのウエディングなのよ。愛之助さんと紀香さんも結婚10年目の時、やってみましょうよ。もうすぐでしょう」と お話ししてくれたお声が、今も耳に残っています。
女性、カップルを生涯かけて応援しウエディングの民主化を成功させた先生、日本の伝統工芸を応援してきた先生、ブライダルの世界に恋をして生涯現役で夢に突き進んできた先生…は、沢山のことを教えてくださいました。たくさん勇気をいただきました。思い出は尽きることがないです。
桂由美先生に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。