脳科学者の茂木健一郎氏が18日、自身の公式ブログを新規投稿。朝日新聞が16日朝刊に掲載した「朝日川柳」で安倍晋三元首相の国葬について批判的な作品を多数選出したことについて、「視点も、庶民とか世間というよりもちょっと上に置いている」と疑問視した。
茂木氏は「ぼくは言論の自由は大切で、このことで批判しようとは思わない」という前提に立ちながら、「川柳についてぼくが抱いているイメージと、あの作品群は違う」とした。江戸時代の柄井川柳に由来するという川柳の歴史に触れ、「川の柳のようにやわらかに、風が吹いてきても受け流す庶民の知恵なんじゃないか」「野暮を嫌い粋をよしとし、やわらかなユーモアのセンスを尊ぶという美意識が出て来るんだと思う」と川柳の本筋を説いた。
その上で、今回の作品群が「どちらかというと国とかそういうものにガチでぶつかっていて、いわゆる権威ある知識人的な匂いがある」と見なし、「文章も結論も、随分硬質で、視点も、庶民とか世間というよりもちょっと上に置いているように思う」とつづり「そこには川柳はあるのかなと思う」と問いかけた。