伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸(60)が25日、大阪市内で、盆踊りツアーの出陣式に臨んだ。感染拡大した新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの出陣式。7月1日、大阪府八尾市から始まるツアーへ向け「貯まり貯まったパワーを本気でぶつけたい。(2月に還暦を迎え)生まれ変わった河内家菊水丸になりたい」と意欲を示した。
12年に受けた、甲状腺がんの手術から10年が経過した。その後の経過は良好で、300人の来場者へ向け「全く後遺症はない。発声に難を感じたこともない」と完治を報告。手術当時、「早く1カ月過ぎてほしい、1年過ぎてほしいと願った。10年ははるか遠い道のりだと思っていた」と感慨を語った。
2年後に迫る大阪・関西万博の8月15日、会場に櫓を建てて河内音頭を歌う「芸能生活の集大成」へ準備を整える。「普段から運をためるためにジャンケンもしない」と語るのは、貯まった運を人生の大事な場面で使いたいからだという。
「1回目がデビュー、2回目は手術。3回目は櫓の上で使いたい」。そのため、櫓で歌う自身の姿はイメージトレーニング済みで、すでにスケジュールも空けている。「その時に着る着物も決めている」と朗報を心待ちにした。