江戸時代に天皇や公家が奉納、和歌2495首見つかる…京都・北野天満宮

江戸時代に天皇や公家が奉納、和歌2495首見つかる…京都・北野天満宮

歴代天皇らが直筆でつづった和歌(12日午後、京都市上京区の北野天満宮で)=川崎公太撮影 【読売新聞社】

(読売新聞)

 北野天満宮(京都市上京区)は12日、江戸時代に天皇や公家から奉納された和歌2495首が見つかったと発表した。宮中での伝統行事「古今こきん伝授」の後に詠まれたものなどで、専門家は「学問の神・菅原道真をまつる天満宮が、和歌の神としても重視されていたことを示している」と評価している。

 天満宮では、江戸時代に朝廷から奉納された和歌を入れた木箱10箱が保管されていた。専門家らが2021年から調査。和歌は短冊や巻物に記され、古今和歌集(平安時代前期)の解釈を伝える古今伝授の後などに天皇らが詠んだものと確認された。

 短冊は630枚あり、いずれも直筆で、最後の女性天皇の後桜町天皇や、退位の前例として注目された光格天皇も含まれていた。古今伝授に伴う短冊の奉納は「和歌三神」とされる住吉大社(大阪市住吉区)などで確認されているが、北野天満宮では初めてという。

 調査した長谷川千尋・京都大教授(日本中世文学)は「他の神社より歌の数が多く、保管状態も良い。近世の和歌研究の貴重な資料となる」と話している。

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