『ハリー・ポッター』とは全然違う3ショット=映画『ノック 終末の訪問者』(4月7日公開)右端がレドモンド(演:ルパート・グリント)(C) 2022 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
同作でルパートが演じるのは、人里離れた山小屋でのんびりとした休暇を過ごしていた家族アンドリュー(ベン・オルドリッジ)、エリック(ジョナサン・グロフ)、養女の元へ武器片手に突如現れ、<愛する家族の命か、世界の終焉か>という正気とは思えない選択を迫る謎の4人組のうちの1人で、素性の見えない粗暴な男レドモンド役。短気で前科持ちながらも、世界の救済を信じるという複雑な役どころ。
場面写真でも、今にも襲い掛かりそうな姿や、窓の鍵を外からこじ開けて侵入しようとする姿、ほかの訪問者たちとともに武器を片手に山小屋を見つめる姿など、物騒で不穏さ満点だ。
“シャマランらしさ”があふているとも言えるこのぶっ飛んだ設定を持つ本作について、ルパートは「終焉を描いた作品って、それだけでそそられた。人って終焉がどんなものなのか、想像してみたくなるものなんだろう。この山小屋の内側から終焉を見つめるというのがまた絶好なんだ。こんなに孤立無援の空間では何だって起こり得るし、誰も助けてはくれない。そういう状況が一段と不穏な空気を生む」と語り、設定を知った時点から出演に前向きであったことを明かす。
ルパートとたシャマラン監督は2019年から配信されているテレビシリーズ『サーヴァント ターナー家の子守』でもタッグを組んでおり、シャマラン監督は「ルパートは大人としての自分を再構築した逸材だ。子役時代の体験に飲まれることなく、それをフル活用して、大人の俳優として歩んでいくうえでの素晴らしいテクニックや可能性に転化させた。ぜひ皆さんに彼の能力を見てほしいし、これからもルパートがたくさんの物語に恵まれるとうれしい」と、コメントしている。
また、ほぼ山小屋内というワンシチュエーションで展開される本作の撮影を振り返り、ルパートは「例えば10ページも続くシークエンスがあって、それをナイトは5分間の長回しで撮ったりしていた。あまりに長いので、なんだか舞台劇を演じているような気分だった。その分、描いている世界観に浸れたし、共演者とのリズム感をつかむこともできた。不思議な阿吽(あうん)の呼吸みたいなものにハマっていったとでも言うのかな」と、シャマラン流のこだわりの演出がたっぷりと込められた作品であることを語っている。
ブルース・ウィリス主演の伝説的メガヒット作『シックス・センス』を筆頭に、ハリウッドの常識を塗り替える数々の名作、奇作を生み出してきたシャマラン監督による全人類をも巻き込んだ“究極の選択”の行方とともに、ルパートがM.ナイト・シャマランというすぐれた監督と巡り合い、思いっきりその才能を発揮している姿を劇場で目撃してほしい。