これは、明日はないかのように熱演する俳優アン・ジェホンに向けたファンの賛辞だ。
メイクで髪を薄くするなどして過激なライブ配信者に執着する男性を熱演したNetflixオリジナルシリーズ『マスクガール』(2023)や、停滞した夫婦生活を直接的に描いたTVINGオリジナル『LTNS』に出演した際にも「引退説」が浮上した。
そして、3月15日に公開されたNetflixオリジナル『タッカンジョン』は、アン・ジェホンの「新たな引退作」として噂されている。
ユニークで実験的な作品であるにもかかわらず、アン・ジェホンはウェブトゥーンの中のキャラクターがそのまま飛び出してきたような表現力で、空を飛ぶキャラクターを実在するように違和感なく演じた。
3月20日に行われたインタビューにて、アン・ジェホンは「今や“引退説”は褒め言葉だと思う。全身全霊で演じたことが認められた感じがする。胸がいっぱいだ」と語っている。
「シンクロ率100%“私がやらなきゃ”と思った」
イ・ビョンホン監督が短編映画『頑張ってください、ビョンホンさん』(2012)を演出し、アン・ジェホンが映画『足球(チョック)王』(2014)で彗星のように登場した2010年代中盤から2人は自然に親交を深め始めた。
アン・ジェホンはイ監督の長編デビュー作『二十歳』(2015)にも出演。そして2019年、多くの人がお気に入りのドラマに挙げる『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』を成功させた。登場人物の台詞をリアルに描写するイ監督と、その台詞を豊かに表現するアン・ジェホンは、最高の相性を誇った。
今回の役柄について、アン・ジェホンは「『恋愛体質』と『タッカンジョン』は全く違う作品だと思うのですが、どちらも本当に面白く作りました。監督の作品に携われるのは幸運だと思います。『タッカンジョン』の台本を見ながら楽しい何かを作るという気がしました。ウェブトゥーンを見て、“私がやらないといけないな”と思いました。本当に似てるじゃないですか。原作者のパク・ジドクさんに私をモデルにしたのかと聞いてみましたが、それは違うとおっしゃいました。ですが、あまりにも似ているので驚いたそうです」と明かしている。
イ監督とリュ・スンリョン、アン・ジェホンが共通して話すのは“笑い我慢”だ。撮影中は絶対に笑ってはいけなかった。コメディーなシーンには非常に真剣で厳格な雰囲気が形成された。
アン・ジェホン「笑いが喉まで来て我慢できない時が何度もありました。必死にNGを出さないようにしてリュ・スンリョン先輩の眉間とユ・スンモク先輩の鼻の下を見ながら我慢しました」と意外な撮影秘話を語っている。
「リュ・スンリョンのように感動を与える俳優になりたい」
アン・ジェホンはリュ・スンリョンに「キャラクターの没入度と作品の理解度が素晴らしい。アクションとリアクションが水が流れるように具現される瞬間は鳥肌が立った」と答え、尊敬の意を表した。
そんなアン・ジェホンが卒業した建国大学演劇映画科では「アン・ジェホンを見て学べ」という教授たちの助言と賛辞が続くという。韓国映画監督組合(DGK)が主催する「第22回ディレクターズ・カット・アワード」では「今年の俳優」に選ばれた。業界の専門家たちが認める俳優であるわけだ。
アン・ジェホンは「光栄です。ノミネートだけでも嬉しかったです。私がこの役を引き受けることに決めた瞬間、完全に私だけのキャラクターを作って視聴者を作品に夢中にさせることに集中します。それが私の仕事です。振り返るよりこれからも良い作品とキャラクターにもっと会いたいです」と謙虚な姿勢を見せた。
そんなアン・ジェホンの演技が光るドラマ『タッカンジョン』はNetflixを通じて全世界に配信中だ。