橋幸夫「新しい夢と人生のスタートを切れることに今、心のワクワク感と喜び感じる」/入学挨拶文

橋幸夫「新しい夢と人生のスタートを切れることに今、心のワクワク感と喜び感じる」/入学挨拶文

京都芸術大学の入学式で、新入生代表としてあいさつを行った橋幸夫(配信動画より)

(日刊スポーツ)

歌手橋幸夫(78)が3日、京都芸術大学の入学式で、新入生代表としてあいさつを行った。4月から通信教育で「書画コース」を専攻する。

高2で歌手デビューした橋は、高校卒業はしたものの、思う存分学問をできなったことが心残り。「大学生になって学びたいという夢」を持ち続けていたが芸能活動が多忙で学業との両立はできなかった。だが、書を習っている先生の勧めもあり、大学生になることを決意。来年5月3日の80歳の誕生日をもって歌手引退をするため、「何か新しいことに挑戦したい」との思いを強くしたことも決断を後押しした。

式が始まって30分すぎ。「入学の辞」で登壇した橋は紋付きはかま姿だった。「新入生を代表してひとこと述べさせていただきます。私にとって、本日は人生最高の出来事の1つです。それは、本日の入学式への参加のお許しを得たことがそれであり、来年5月3日で80歳になる私にとっては、かなうことなき夢であると思っていたことです。しかし本日、実現できたことであります。今日ここに参加されている多くの入学生の皆さまと共に、この私もこうして参加させていただけたのが現実です」

「私の芸能界デビューは高校2年の7月5日がスタートでありました。そのため2年生の後半と3学年は多忙なスケジュールに追われてほとんど学校に行けなくなり、翌年、卒業式には私は出席できず母が代理として卒業証書をいただきにいった。高校生活には楽しい思い出も、あまり残っていないという寂しさをのちのちまで感じていた青春時代でありました。その満ち足りていない自分の心に、デビューして10年すぎた後あたりから。何か学びたい。そのような思いが急に湧き、そうだ、書を学びたいとの思いがわきました」

「今回の書画コース入学にも、(現在、指導を受けている)先生のご紹介もあり、私のこれからに新たなる人生の夢を実現したいという、はてしなき思いが募り、その上、昨年から移籍した『夢グループ』の社長とも、人生、夢を持つことの大切さをいつも話し合っており、そんな中から、学び足りなかった学生時代をもう1度最後に体験したい。その思いがふつふつと湧いてきたのです。私は62年間もの長い間、芸能一筋に、歌手を本業とし、歌、映画、舞台、その他数々の芸能活動をさせていただきましたが、来年80(歳)を、芸歴63年目を機に、歌手生活の道を引退することを決めさせていただき、昨年末より、来年5月3日まで日本全国160カ所を回るラストコンサートとしてそのステージを。そしてこれまでご支援を頂いた多くの皆さまへの感謝を込めた最後のステージとして、歌手橋幸夫の人生を完結したいと思っております。そして、その後の私の人生を、ここ京都芸術大学書画コースを選択させていただき、今年から、学ばれる新入生の皆さまと良き同期生・友人となり、私にとっての新しい夢と人生のスタートを切れることに今、心のワクワク感と喜びを感じております。しかし、最後になりますが、超高齢者の私です。命を閉ざすことが先になる可能性もございます。願わくば、4年間で卒業できるように全身全霊を傾けて頑張ります」などとあいさつした。

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