藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=への挑戦権を争う第37期竜王戦決勝トーナメント、広瀬章人九段(37)と山崎隆之八段(43)による準決勝が26日、大阪・関西将棋会館で指され、先手広瀬が115手で勝利した。藤井への7番勝負挑戦権を、前日のもう一つの準決勝で勝利した佐々木勇気八段(29)と挑戦者決定3番勝負で競うことになった。
山崎は1組優勝、広瀬は1組4位での決勝トーナメント進出。振り駒の結果、広瀬が先手になり、戦型は後手山崎の向かい飛車へ進んだ。
居飛車党・山崎が投じた変化球は16手目、飛車を8筋から2筋へ振るまで明らかにされなかった。その後、広瀬が棒銀の要領で進めた右銀を惜しげもなく手放す、駒損の攻めを敢行する。
そして少ない手駒から天王山へ進めた右金が大威張りし、右王を敷いた山崎陣の左辺、右辺も制圧。1筋へ押し込めた山崎飛車へ圧力を加える歩の進撃を見て、山崎が投了した。1組優勝だけでなく今年度、棋聖戦5番勝負で藤井に挑戦した好調・山崎を破った。
広瀬―佐々木の3番勝負は29日、東京・将棋会館で開幕する。対戦成績は広瀬の4勝3敗。広瀬が挑戦権獲得なら第35期以来2年ぶりのタイトル戦、佐々木ならタイトル初挑戦となる。