レジェンドがまたひとり旅立った。7月12日に88歳で死去した声優の小原乃梨子(おはら・のりこ)さん。アニメ「ドラえもん」の野比のび太から「ヤッターマン」のドロンジョまで幅広いキャラクターを演じ分けてきた〝声〟を、昭和世代は忘れることができない。
所属事務所は23日、公式ホームページで小原さんの死去を報告。病気療養中だったとしており、死因などは明らかにしていない。葬儀は親族で執り行ったという。
「ドラえもん」ののび太役は1979年から2005年まで26年間にわたり担当。ほかにも「未来少年コナン」のコナンや「アルプスの少女ハイジ」のペーターといった少年を演じる一方、「タイムボカン」シリーズでは「タイムボカン」のムージョや「ヤッターマン」のドロンジョなど悪玉トリオ〝三悪〟の妖艶な女ボスを演じ続けた。
中でも子分をしかるせりふ「スカポンタン!」は、子供向けにきつい言葉を避けるため、小原さんがスカタンとアンポンタンを足して作ったアドリブだったという。
このほか、ブリジット・バルドーやジェーン・フォンダといった小悪魔的な女優の吹き替えなどでも知られる。
5月に「ルパン三世」の峰不二子役の増山江威子さん(享年88)、6月には「パーマン」のパーマン1号役などで知られた三輪勝恵さん(同80)とレジェンド声優の訃報が相次いでいる。