有村架純“弥生”、コーヒーのお代わりとシャワーで表現された孤独な過去<海のはじまり>

Snow Man・目黒蓮が主演を務める月9ドラマ「海のはじまり」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信) の第4話が7月22日に放送。夏(目黒)の恋人・弥生(有村架純)の悲しい過去が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)

■2022年のドラマ「silent」チームが再集結して描く親子の物語

同ドラマは、目黒が出演し、社会現象とも呼ばれた2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)の脚本・生方美久氏、風間太樹監督、村瀬健プロデューサーが集結して制作。“親子の愛”をテーマに、今の時代だからこそ伝えたい人と人との間に生まれる愛と、家族の物語を描く完全オリジナル作品だ。

印刷会社に勤務し、大学のときに別れた恋人の死をきっかけに自分の娘の存在を知る主人公・月岡夏を目黒、夏と付き合って3年になる化粧品メーカー勤務の百瀬弥生を有村架純、夏の娘・海を泉谷星奈、夏の大学時代の恋人で病のために亡くなった南雲水季を古川琴音、水季が働いていた図書館の同僚・津野晴明を池松壮亮、水季の母・朱音を大竹しのぶが演じる。

■夏につらい過去を明かす弥生

第2話で、夏が自分に娘がいたと弥生に打ち明けたとき、人工中絶に同意した自分に知らせずに亡き恋人が生む決意をしていたことに「正直、ほっとした。自分が殺したんだって思ってたから」と言った。その言葉が弥生の心に深く、深く突き刺さっていたのだと第4話で分かった。

「海の父親になることにしたのか」と、すぐに結論を出させようとした弥生にいら立ちを感じてしまった夏。弥生が焦っていたのは、過去に起因していた。

弥生がかつての恋人に妊娠を告げたとき、「いつ…」と聞かれて妊娠が判明したときかと思いきや、続いたのは「いつするの?手術とか。早い方がいいんでしょ?」という言葉。「ちゃんと責任取らせてよ」とは言うものの、自分はおろか、弥生にさえ人工妊娠中絶の選択肢しかないと考えていたのだ。

その恋人の選択に異を唱えることなく、人工中絶した弥生。そのことを詳細は明かさずも「殺したことがある」と夏に告げた。その罪悪感から「いい親になって子どもに必要とされれば楽になれるって無理やり思い込もうとしていた。自分のために親になりたかっただけ」ということから、夏に結論を急かしたのだった。

■コーヒーとシャワーが示した孤独だった弥生の過去

弥生が恋人に妊娠を告げたのは喫茶店だったが、仕事をしていくと言って1人残ったとき、テーブルにあったコーヒーを飲み干し、お代わりをオーダー。店員が伝票を確認して「ノンカフェインコーヒーでよろしいですか?」と問い掛けると、弥生は「普通ので」とブレンドコーヒーを頼んだ。

妊娠中はカフェインの過剰摂取は注意するように言われる。弥生は相手が来る前に注文したときは、そのまま妊娠を継続する可能性を考えていたのではないかと推測できた。

しかし、お代わりの“ブレンド”コーヒーが届いても、一口も口にすることなく店を出た弥生。その後、自宅で母親に相談の電話をして「1人で育てるのってさ…」と言いかけると、すぐさま「私、無理だからね」とサポートを拒否する返答があった。

そして、中絶した日。恋人は「終わった?」とメールでのみ聞いてくるだけだった。自宅に帰り、風呂掃除していた弥生は浴槽の中ですべって思わずお腹を気にした。でも、すぐに「もういないんだった」とつぶやき、涙があふれ出た。1人暮らしで恋人も母も部屋にいない。その中でシャワーをお腹にあて、もういないことへの思いがあふれた涙を流し、泣き声をかき消す姿はあまりにも切なかった。

そんな弥生と交互して、水季が妊娠を両親に告げてから生む決意をするまでが描かれた。水季を心配して厳しい言葉をかけても、生む選択をしたら受け入れてくれる親の優しさがあった。また、第1話で描かれたが、夏は水季から中絶の同意を求められて、言葉足らずなところはあったが、「他の選択肢はないの?」と問い掛けていた。

ほぼ同じころに妊娠した弥生と水季は対照的だった。それだけに弥生の孤独が浮き彫りに。コーヒーと、予告から注目されていたシャワーのシーンでそれを深く印象づける物語性も秀逸だった。

4週連続でタイトルが世界トレンド1位になった中、SNSには「弥生と水季の対比がつらかった」「コーヒーひとつで妊娠を彷彿とさせる演出素晴らしい」「ノンカフェインコーヒーで胸がギュッとなった」「シャワーのシーンが頭から離れない」といった声が上がった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね♡
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アフィリエイター初心者です!よろしくお願いします。

目次
閉じる