藤井聡太七冠へリベンジは”あの日”と同じ王座戦に 永瀬拓矢九段「運命」

 将棋の第72期王座戦挑戦者決定トーナメント決勝が22日、東京・将棋会館で指され、後手の永瀬拓矢九段が羽生善治九段に勝利。藤井聡太王座=竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖=への挑戦権を獲得した。

 永瀬にとっての1年ぶりのタイトル戦は”あの日“と同じ王座戦となった。「(これまで他棋戦の)挑戦者決定戦でかなり多く負けてしまっていたので、ここでひとつ結果が残せてよかった。それが王座戦というのは運命を感じます」。いつも通りの淡々とした口調で強い言葉を口にした。

 昨年8〜10月に行われた前期の王座戦五番勝負で藤井に敗れ、王座から陥落した永瀬。藤井はこのシリーズでの勝利で史上初の八冠に輝いた。

 決着局となった第4局は最終盤での逆転負け。逆転に気づき頭をかきむしる永瀬の様子はあまりにも苦しく、シリーズを象徴するシーンとして多くの将棋ファンの記憶に焼き付いている。

 永瀬も「精神的な未熟さで、去年の王座戦が自分としてはダメージとして残ってしまい、自分の弱さとも向き合う機会にもなりました。思っていたより弱い部分が目立った1年だったかなと思いました」と振り返った。

 普段から藤井とVS(一対一の練習将棋)を行っている永瀬。6月の叡王戦で敗れ、七冠となった藤井の調子については「将棋を教えていただいていても五分の成績になっている。(藤井は)一番良いという状態ではないのではと思う」と言及。一方で、「藤井さんのギアが上がるのも知っているので、いつ上がるかというところ」とし、藤井の人柄についても「いつも穏やかで謙虚で素晴らしい方というのも変わらない」と語った。

 五番勝負第1局は9月4日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で指される。「藤井さんに今までタイトル戦で勝ったことがありませんので、勝てるようにしたい」。前期王座戦からどのように立ち直れたのかと聞かれ、「立ち直れたわけではない気がします」と永瀬は口にした。王座戦で、もう一度、藤井と向き合う。(瀬戸 花音)

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