上方落語の桂米団治(63)が15日、大阪市内で、毎夏恒例独演会(7月18日、大阪・サンケイホールブリーゼ)の取材会を開催。創作落語へ本格初挑戦する中で、交流戦で4位浮上した阪神から不屈の思いを学んだと語った。
米団治はコロナ禍にあって、厳しい状況が続く落語界を思い「毎回、スペシャルと思ってやらなければ」と考え、今回は、直木賞の由来となった直木三十五の「増上寺起源一説」をもとに、新作落語「増上寺」を手がけると決めた。
今独演会でのネタおろしに向け、制作途上だが「ひらめいたらうれしいし、ひらめかないと苦しい」。悪銭苦闘するその最中、応援する阪神の“復活”に励まされたという。
「今年は開幕直後に『終わったな』と思いましたが、交流戦でここまで(浮上)。あきらめたらアカン、いうことです。自分に置き換えて、あきらめずに増上寺、がんばります」
満面笑みでこう語ったが、ただし…。矢野燿大監督が開幕前に今季限りを選手に伝えたことには疑問を抱いたとも。「開幕直前になんで? って。それで選手が頑張ってくれればいいけど、ちょっと…ねえ? でもまあ、言った以上は、最後まで頑張ってほしい」ともエールを送った。
一方で、5月に舞台共演していた野球好きの女優、藤山直美が「野球にめちゃくちゃ詳しい」として「来年、直美ちゃん(が監督)でどうかな? って思いました」。直美といえば、個人の選手では、熱烈な王貞治ファンとして知られるが、チームとしては、阪神びいき。
米団治によると、楽屋でも「王貞治 756号」の「ウインドブレーカーを着て、(阪神戦を)見ながら、めっちゃよう知ってるんですよ」と、衝撃? の推薦をしていた。
独演会では、新作「増上寺」と、父の故桂米朝さん作の「淀の鯉」、古典の「三枚起請」を演じる。