将棋の第95期棋聖戦5番勝負第1局は6日、千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で指され、挑戦者・山崎隆之八段(43)が藤井聡太棋聖(21)=王将含む8冠=に90手で敗れた。対戦成績は0勝1敗。会場には山崎と同門の弟弟子・糸谷哲郎八段(35)が駆けつけ、対局を見守った。
会場を訪れた理由を「観光の寄り道で来た」と話し、この日の朝大阪を出発。キャリーケースを持って昼頃に到着すると、控室での検討に参加した。スローペースで始まった対局だったが、形勢は徐々に藤井に傾く。糸谷は「やりすぎな作戦を、藤井さんにきっちりとがめられてしまった。(山崎の)良さがあまりでていない一局になってしまった」と語った。
挑戦が決まった時、山崎は今回を「最後の大舞台」と位置づけた。だがその言葉を聞いた糸谷は「勝ったら防衛戦があるのに!と本人にツッコみました」と振り返る。糸谷にとって山崎は、1番尊敬する棋士。
「タイトル戦は一方的になると面白くない。いい将棋を指してほしい」と、兄弟子への思いを口にする。17日に行われる新潟市での第2局も「行くのどうしようかな…」と言いながら、会場を後にした。