■名曲をモチーフにしたラブストーリー
本作は、沖縄出身のバンド・HYの名曲「366日」の世界観に着想を得たオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋をかなえようと再び動き出した男女が、予期せぬ悲劇に直面しながらも、愛する人を思い続ける壮大な愛の物語が展開する。
音楽教室の事務受付をしている28歳の主人公・雪平明日香を広瀬、明日香が高校時代に思いを寄せていた水野遥斗を眞栄田郷敦が演じる。また、明日香と遥斗の同級生役で、小川智也を坂東龍汰、下田莉子を長濱ねる、吉幡和樹を綱啓永が務める。
■“不穏”と視聴者が話題にしていた看護師・紗衣の過去が明らかに
高校時代の両片思いがようやく実った明日香と遥斗。その矢先、遥斗が転落事故で高次脳機能障がいに。明日香は懸命に支え、遥斗は記憶がないままにもう一度明日香に恋しているようだったが、気遣いに限界がきて友だちに戻る決断をした。
そんななかの第9話で視聴者が注目したのは、遥斗が入院していた病院の看護師・紗衣(夏子)だ。一人暮らしを始める遥斗に不動産会社を紹介し、一緒に商店街でコロッケを食べたり、ガスコンロが故障した遥斗のために卓上IHヒーターを貸し出してあげたり、遥斗が仕事のコンペ用に作った料理を試食したり。本当ならそこにいたのは明日香のはずで、距離が近づいていく様子にやきもきさせられた。
やきもきしたのは、これまで描かれた遥斗に思いを寄せているような不穏な動きがあったからだ。なぜか遥斗の高校野球部のネームタグも持っていた。その理由がラストで明らかになった。
第5話で明日香や莉子が回想していたが、高校生のときに駅で痴漢にあった紗枝を遥斗が助け、それ以来、紗衣は思いを寄せていたのだ。
■明日香の涙にもらい泣き
ネームタグを返しながら告白をするも、「でも、後ろめたい恋愛はやっぱり無理だから」と去ろうとした紗衣。だが、紗枝もまた長い長い片想いで、そんなにすぐにあきらめられるものではない。
人とぶつかって散らばってしまったかばんの中身を拾い集めながらこぼれる涙を抑えきれないでいると、「大丈夫ですか」と遥斗が近寄った。紗枝はそんな遥斗に「ごめんなさい、今だけ」と肩を借りて泣き続けた。
すると、こんな偶然起きてほしくなかったのだが、その様子を和樹と一緒にいた明日香が目撃してしまう展開に。
「ダメだ…やっぱり全然ダメだ。少しずつ忘れるつもりだったのに、ホントは今でも会いたくて、声が聞きたくて。遥斗もそうだったらいいのにって、心のどこかで期待しちゃった」と、涙があふれる明日香。
遥斗を巡る明日香と紗衣の涙に濡れるラスト。遥斗、そして「もう何も言わなくていいから」と優しく明日香をバックハグした和樹も気になる。クライマックスに向けて切なさがグンと増し、SNSは「これは泣く」「つらすぎる」「衝撃すぎる」といった感想であふれた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部