「ルパ〜ン」とささやく、甘い声に奮い立った男子も多かったのではないか。5月20日、肺炎のため、88歳で死去した声優の増山江威子さんは「ルパン三世」の峰不二子や「キューティーハニー」の如月ハニーといったキャラクターに、セクシーでキュートな命を吹き込んだのだった。
所属する青二プロダクションがこの日、公式サイトで「病気療養中のところ、薬石効なく肺炎のため永眠いたしました」と報告。お別れの会は未定。複数の関係者によると、昨年12月に体調を崩し、入院したという。
児童劇団から、毒蝮三太夫(88)らと立ち上げた「劇団山王」、そして「劇団四季」を経て、1960年代から声優として活動し、73年の如月ハニー役で注目される。77年に「ルパン三世」の不二子役に起用されると、艶のある声でルパンを翻弄。2011年に沢城みゆきにバトンタッチするまで、テレビ版、映画版の双方で活躍し続けた。増山さんは不二子について「すべての理想を兼ね備えた女性であり、いつも憧れている」と語っていた。
「天才バカボン」のママ役も当たり役で、「天才バカボン」(1971〜72年)から「レレレの天才バカボン」(99〜2000年)まで4作にわたって演じ続けた。それは「ママの声だけは変えないでほしい」という原作者である赤塚不二夫のたっての希望だったという。