■“アンチ”な弁護士を演じる長谷川博己をはじめ個性派俳優が集結
長谷川は「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士を演じ、主人公と同じ法律事務所で働く同僚弁護士役で北村と堀田、パラリーガル役で大島優子、東京地方検察庁の検察官役で木村佳乃、検事正役で野村萬斎が出演。
さらに、7作目の日曜劇場出演となる相島一之、「小さな巨人」(2017年)にて長谷川と共演歴のある神野三鈴の他、小松利昌、近藤公園、松角洋平、馬渕英里何、宮尾俊太郎、山本浩司、吉永秀平が出演。
また、林泰文、安藤彰則、井上肇、内村遥、河内大和、迫田孝也、須田邦裕、砂田桃子、高木勝也、谷田歩、珠城りょう、馬場徹、和田聰宏、渡辺邦斗が「VIVANT」(2023年)以来の日曜劇場出演となる。
ほか、近藤華、山下幸輝、渡邊圭祐、沢村玲、十文字陽菜、田中真琴、搗宮姫奈、諸星すみれといった若手俳優陣や、各方面で活躍中の朝夏まなと、一ノ瀬ワタル、s**t kingz・小栗基裕、田島亮、浪川大輔、早見あかり、前原瑞樹、水野勝が日曜劇場に初出演。
■出版社の情報漏えい事件によって次のターゲットが明らかに
かつて政治家のスキャンダル記事を書いた雑誌「週刊大洋」の副編集長だった沢原(珠城)が、機密情報流出事件の容疑者として逮捕され、第一審では懲役1年の判決を受けた。“自分は嵌められた”と主張する沢原の弁護を「私があなたを無罪にしてさしあげましょう」と言って明墨が引き受けた。
いつものように明墨は証拠を固め、沢原の無罪を勝ち取ることは確実かと思われたが、判事・瀬古(神野)は明墨による新たな証拠を跳ね除け、無罪を勝ち取ることはできなかった。
しかし、ここで諦める明墨ではない。それどころか、明墨の本当の目的は瀬古の失墜だった。沢原の裁判も明墨にとっては想定内だったのかもしれない。
■瀬古を弾劾するために、人間関係を切り崩していく明墨
明墨は「それ相応の報いを受けてもらう。弾劾裁判だ」と、赤峰や紫ノ宮に、“裁判官を罷免することができる”弾劾裁判に瀬古をかけることと伝えた。
赤峰は、松永(細田善彦)の冤罪(えんざい)を晴らすためにずっと奔走してきたが、松永に有罪判決を下したのも瀬古だった。ということは、瀬古を弾劾裁判にかけて失職させることができたなら、松永の再審にもつながっていくことになる。
最高裁の判事を狙う瀬古がすがりついているのは、法務副大臣の加崎(相島一之)。2人の癒着を明らかにするため、加崎の支援パーティーに明墨が潜り込み、参加していた瀬古に接触し、直接的に挑発した。
挑発に乗らないように気を付けていた瀬古だったが、かつて懇意にしていたが裏切り、見切った政治家・富田(山崎銀之丞)が会場に乗り込んできて、大騒ぎとなった。これも明墨が仕掛けたこと。
■一枚岩ではなかった瀬古の人間関係は、一つのほころびから簡単に崩壊した
明墨は、瀬古への怒りが収まらない富田をなだめ、取り行って、息子・正一郎(田島)の傷害事件に関して、瀬古に賄賂を贈っていたことを公表するように仕向けた。
それが決定打となり、瀬古は弾劾裁判をかけられることになった。検事正の伊達原(野村萬斎)に泣きつき、12年前のことを話してしまうかもしれないと脅迫とも取れる言葉を向けるが、伊達原に「今のあなたの言葉を信じる人がどれくらいいるでしょうか?」と一蹴されてしまう。
まさしく瀬古は失墜し、沢原は控訴審で無罪に。そして、赤峰の念願だった松永の再審も無罪を勝ち取り、冤罪を晴らした。
「松永さんは、被害者です」で始まった赤峰の最終弁論。「証拠は物語っています。しかし今一度、法に携わる人間の倫理観というものを見直すべきではないでしょうか。松永さんの光を奪ったのはわれわれです」と、自戒の念もありつつ、司法の在り方について問う言葉は、とても重く、説得力のあるものだった。
その時の赤峰の姿、立ち居振る舞いはまさに“ヒーロー”だった。松永が赤峰を見る目には強い信頼感があり、傍聴席で見ていた明墨が表情もどこか穏やかだった。
弁護士として大きく成長した赤峰。12年前の事件の真相を暴こうとする明墨にとって、より力強い味方となってくれそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部